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ソフト99 Research Memo(1):2020年3月期第2四半期累計業績は減収増益となり、利益は会社計画を上回る

発行済 2019-12-19 15:11
更新済 2019-12-19 15:21
© Reuters.  ソフト99 Research Memo(1):2020年3月期第2四半期累計業績は減収増益となり、利益は会社計画を上回る
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1. 2020年3月期第2四半期累計業績ソフト99コーポレーション (T:4464)の2020年3月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比1.0%減の12,165百万円と微減収となったものの、営業利益が同10.1%増の1,257百万円、経常利益が同9.0%増の1,335百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同12.3%増の933百万円といずれも増益となった。

主力のファインケミカル部門が価格改定の効果もあって増収増益となったが、他部門のマイナス分をカバーしきれず、全体では減収。

売上総利益率は価格改定及び販売構成比の変化により前年同期比1.7ポイント上昇した。

会社計画比では売上総利益の増加に加えて販促費、消耗品費の予算未消化分が上振れ要因となっている。

事業セグメント別の業績を見ると、ファインケミカル事業は売上高で前年同期比0.8%増の6,142百万円、営業利益で同23.1%増の738百万円となった。

国内自動車販売が堅調に推移し、また、タイヤの10月からの値上げ告知の影響もあってカー用品専門店の来店者数が前年同期を上回る水準で推移するなど、市場環境は良好だった。

主要カテゴリの増収率を見ると、一般用ボディケア製品が新製品の伸長により前年同期比8.2%増、ガラスケア製品が既存製品の販売拡大によって同4.0%増とそれぞれ順調に伸長した。

また、海外市場向けも前期に化学品規制の影響で一時的に落ち込んでいた欧州向けが復活し、同6.9%増と増収に転じたほか、TPMS(タイヤ空気圧監視装置)が乗用車向けOEM供給の開始により同57.5%増と急成長した。

金額では101百万円とまだ小さいものの、安全意識の高まりを背景に今後の成長が期待できる分野として注目される。

一方、一般用リペアグッズが同6.2%減となったほか、業務用製品が前年同期に輸入車ディーラー向けにワイパーのまとめ発注があった反動で同3.5%減となった。

また、2018年3月より子会社化した電子機器・ソフトウェア開発会社の(株)ハネロンも、開発案件の納期が下期にずれ込んだ影響で同14.3%減と低調に推移した。

利益面では、前期に原材料上昇に伴い実施した価格改定の効果が大きく、売上総利益率で前年同期比2.3ポイント上昇し、増益要因となった。

ポーラスマテリアル事業の売上高は前年同期比4.4%減の2,769百万円、営業利益は同0.7%減の355百万円となった。

売上高は生活資材が国内で自動車用製品や家庭用スポンジの需要が好調だったことにより、同2.2%増と堅調に推移したものの、半導体やHDD製造用の精密洗浄材を主力とする産業資材が市場環境の悪化を背景に、同6.9%減と低調に推移したことで減収となった。

ただ、半導体の中でも付加価値の高い最先端品については台湾大手を中心に売上が拡大しており、同部門の売上総利益率も前年同期比2.5ポイント上昇し、売上総利益ベースでは同3.5%増益となった。

営業利益の減益要因は新製品・新規用途開拓のための研究開発費の増加によるものとなっている。

サービス事業の売上高は前年同期比1.3%減の2,540百万円、営業利益は同32.0%減の47百万円となった。

自動車教習事業については高齢者講習が好調だったこともあり増収増益となったものの、自動車整備・鈑金事業が前年の災害特需の反動減により減収減益となったほか、生活用品企画販売事業も主力の生協向け販売の落ち込みにより減収減益となった。

また、不動産関連事業の売上高は同0.7%減の712百万円、営業利益は同3.8%増の115百万円となった。

温浴事業が客数減により減収減益となったものの、不動産賃貸事業や介護予防支援事業が稼働率の上昇により増収増益となった。

2. 2020年3月期業績見通し中期経営計画最終年度となる2020年3月期の連結業績は、売上高で前期比1.8%増の25,000百万円、営業利益で同0.7%減の2,500百万円と期初計画を据え置いている。

通期計画に対する営業利益の進捗率は50.3%と順調に推移しているが、研究開発や情報システム投資を継続していくこと、先行きの市場環境が不透明なことから据え置きとしている。

下期についても、ファインケミカル事業では年末商戦に向けてTVCMを実施することで、製品の認知度向上に取り組み、また、美装化ニーズへの対応を更に加速させていく。

一方、ポーラスマテリアル事業についても半導体市場が緩やかな回復に向かいつつあり、最先端品を中心に業績の回復が期待される。

3. 中期経営計画の進捗状況2020年3月期を最終年度とする中期経営計画では、経営環境の大きな変化を事業拡大のチャンスと捉え、将来の持続的な成長に向けた事業基盤を構築する期間と位置付け、各種施策に取り組んできた。

ファインケミカル事業では、海外市場の開拓が欧州、アジア向けで進んでいるほか、国内では自動車美装の再定義による車内向け製品の拡充、業務用市場の開拓、TPMSの乗用車向けへの展開など当初の目標からはやや遅れているものの、徐々にその成果が表れ始めている。

また、ポーラスマテリアル事業では既存市場(半導体等ハイテク市場)だけでなく、新規市場(医療分野等)の育成を成長施策として取り組んでいる。

具体的には、インフルエンザ検査キット内部の吸液材等での実績を基に、インフルエンザ以外の検査用(結核用、ウイルス検査等)に横展開し、将来的には部材提供から自社で完成品まで製造していくことを目標としており、既に一般医療機器(クラスI)製品の製造販売業許可も取得するなど、事業基盤の構築を進めている。

業績数値目標に関しては、投資期間との位置付けで保守的な計画を立てていたこともあり、達成できる見通しだ。

2020年3月期決算と同時期に発表見込みの次期中期経営計画では、2020年3月期までに目標を達成できなかった施策についても継続して取り組んでいく方針となっており、新たな施策も含めてその内容が注目される。

4. 株主還元策株主還元については、安定的な配当の継続を基本方針とし、目安としては営業利益の20%としている。

2020年3月期の1株当たり配当金は前期比1.0円増配の24.0円を予定しており、配当性向で28.6%の水準となる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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