[ワシントン 11日 ロイター] - トランプ米政権は11日、キューバをテロ支援国家に再指定したと発表した。バイデン次期大統領がオバマ政権時代の融和路線に復帰する際の障害になる可能性がある。
ポンペオ米国務長官はキューバが米国からの亡命者やコロンビアの反乱勢力の指導者を受け入れることで「国際テロ行為に繰り返し支援を提供している」と批判。また、ベネズエラのマドゥロ政権を安全保障面で支援することで同氏の権力維持を可能にし、ベネズエラ国内で国際的なテロリストが勢力を拡大する土壌をつくっているとした。
キューバの「カストロ政権は国際テロや米国の司法を破壊する活動への支援を終わらせる必要がある」と強調した。
オバマ前大統領は2015年にキューバのテロ支援国家指定を解除し、同年の国交回復につなげた。
バイデン次期大統領は選挙戦で、「キューバの人々に打撃を与え、民主主義と人権の向上で全く役に立たない」トランプ氏の対キューバ政策を早期に転換すると公約していた。
ただ、政権交代直前のテロ支援国家再指定は、バイデン氏の政策転換に悪影響を与える可能性がある。他に指定されているのはシリア、イラン、北朝鮮。
キューバのロドリゲス外相はツイッターに「米国による偽善的で不誠実なキューバのテロ支援国家指定を非難する」と投稿した。
トランプ氏は20日の大統領退任が迫る中で矢継ぎ早にキューバやベネズエラ、イランなどへの制裁やその他の強硬措置を発表している。その一部はバイデン氏の手を縛る狙いがあると同氏の側近らは指摘している。
バイデン氏に近い関係者はこういった「土壇場の動き」について、「政権移行チームは一つずつ検証している」と述べた。