本日財務省から発表された貿易統計によると、対前年比で輸出は0.1%増の約6兆9276億円、輸入は12.5%増の7兆6648億となり、貿易収支は約7373億円の赤字となった。赤字は2カ月連続だ。
輸入で大きく伸びたのは、原油や天然ガスなどの鉱物性燃料で38.9%増、医薬品などの化学製品は14.9%でこれに次いで伸びた。輸出では二輪自動車が17.5%増となっている。
国別では燃料輸入が増えた影響で中東やロシアからの輸入が大きく増大した。輸出ではアジア地域が-1.9%となっている。
貿易戦争の当事国である中国とは10月の輸出額が1兆4755億円だったが、11月は1兆3844億円と大きく減少した。落ち込みが大きいのは電気機器や金属加工機械、建設用・鉱山用機械、荷役機械などの一般機械となっている。10月までは前年比で増加していたが、11月に大きく落ち込んだ形だ。単月だけでは判断しにくい面もあるが、貿易戦争の影響が出ていることが考えられる。米中間の争いが中国の成長鈍化となり、これらの機械への需要減につながったといえるだろう。
今や中国は日本にとって米国と並ぶ主要輸出国(昨年は中国が2位)。中国の景気が減速すれば日本経済への影響が大きく出てくることは確実であり、今後の貿易統計の推移に注目すべきだろう。個別企業の業績や株価のみならず経済指標にもちらほらはっきりと貿易戦争の影響が表れてきていることは2019年に向けて暗い材料となっている。