[日本インタビュ新聞社] - ■節約志向が市場を動かす?
日本の消費者は、節約志向と低価格志向を持続しており、これが市場に影響を与えている。岸田文雄首相は、「賃上げと物価の好循環」を掲げ、定額減税を加えた経済政策を推進しているが、物価上昇の圧力は依然として強い。4月には多くの商品が値上げされ、円安・ドル高も続いている。家計調査によると、消費支出は12カ月連続で減少している。
節約志向は、100円ショップやリユース店の株価にも影響を及ぼしている。100円ショップは、コスト削減に成功し業績を上方修正した。リユース店も、金先物価格の上昇により、貴金属の買い取り・再販が活発になる可能性がある。投資家は、価格の安い銘柄を見つけることに喜びを感じている。
岸田政権の経済政策は、今後の選挙に向けて重要な要素となる。物価上昇と円安の問題は、政策の成功を左右する可能性がある。消費者の節約志向と市場の動向は、政策の効果を測るバロメーターとなるだろう。
■業績上方修正で純益2.4倍とV字回復も株価はわずかまだ三ケタ
100円ショップ株でトップバッターとして注目されるのは、ワッツ<2735>(東証スタンダード)である。同社株は、今年3月28日に今8月期業績の上方修正を発表し、純利益は、前期比2.4倍増益とV字回復する。株価は、この発表を受けて窓を開けてストップ高し年初来高値768円まで買い進まれ、足元ではこの時開けた窓埋めを続けているが、株価は、700円台と3ケタ台にとどまりPERは15倍台、PBRは0.8倍と割安ポジションにあるためだ。2020年8月以来の1000円大台回復も期待できそうだ。キャンドウ<2698>(東証スタンダード)も、目下集計中の2月期業績を上方修正し、減損損失計上で赤字転落する純利益の赤字幅を縮小させており、明5日に予定されている2月期決算発表時の次期業績ガイダンスが要注目となる。
このほかセリア<2782>(東証スタンダード)も、月次売上高が連続プラスで推移しており、100円ショップにPB商品や用品を供給のドウシシャ<7483>(東証プライム)、アミファ<7800>(東証スタンダード)、レック<7874>(東証プライム)とともに関連人気を高めよう。株の一角で存在感を発揮しよう。またグループ会社が、300円ショップを展開しているパルグループホールディングス<2726>(東証プライム)も、関連株の一角で存在感を発揮しよう。
■金先物価格は連日の最高値で貴金属の買い取り・販売の月次売り上げが連続プラス
リユース株は、米国市場で金先物価格が1トロイオンス=2325.3ドルと連日、史上最高値を更新し、これに円安・ドル高が加わって国内小売り価格も最高値追いとなり、退蔵貴金属の買い取り・販売とも好調に推移し月次売上高が連続プラスとなっている。前週末5日に3月度売り上げを発表した買取王国<3181>(東証スタンダード)は、3月の単月として過去最高になっており、単月の過去最高は15カ月連続になったとした。ハードオフコーポレーション<2674>(東証プライム)、ゲオホールディングス<2681>(東証プライム)、コメ兵ホールディングス<2780>(東証スタンダード)、トレジャリー・ファクトリー<3093>(東証プライム)、シュッピン<3179>(東証プライム)、テイツー<7610>(東証スタンダード)などが関連人気を高めよう。なおコメ兵HDは、4月3日にブランド品リユース株会社の株式を4億円弱で取得し孫会社化したことを発表した。
なおこのところ業績にも株価人気面でも弱含みのリデュース(再資源化)関連の貴金属回収株への見直しも進む可能性もある。中外鉱業<1491>(東証スタンダード)、イボキン<5699>(東証スタンダード)、DOWAホールディングス<5714>(東証プライム)、アサカ理研<5724>(東証スタンダード)、AREホールディングス<5857>(東証プライム)、松田産業<7456>(東証プライム)などをマークするところだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)