[20日 ロイター] - 中国株式市場は大幅高。当局が保険会社による株式投資の上限を引き上げる方針を示したほか、証券会社や投資信託会社のM&A(合併・買収)を奨励するとの報道で金融株を中心に買われた。
AVIC証券のアナリストは保険会社による株式投資の上限を引き上げについて「株式市場に新たな資金を呼び込む。短期的には間違いなく前向きな材料だ」との見方を示した。
また「新型コロナウイルスの感染拡大がもたらした経済的困難によって国内で社会的圧力が強まっている。こうした圧力を軽減するために当局は株高を必要としている」と指摘した。
上海証券取引所のデータによると、17日までの株価の調整により同市場では時価総額が3兆元(4291億3000万ドル)減少した。ただアナリストは中国の景気回復、政策支援、市場改革を理由に株価の上昇トレンドは終わっていないと指摘している。
香港株式市場は、本土市場の急伸に支援され、ハンセン指数が下げの大部分を取り戻して終了した。
ハンセン指数 (HSI)終値は31.18ポイント(0.12%)安の2万5057.99。一時は1.3%下落していた。
ソウル株式市場は小反落。新型コロナウイルスによる影響を受けた加盟国の経済回復を支援する欧州連合(EU)の「復興基金」をめぐり、交渉が行き詰まっていることが、投資家心理を冷え込ませた。
DSインベストメント・アンド・セキュリティーズのアナリストによれば、投資家の間では、今週発表される4─6月期の国内総生産(GDP)の内容などにも注目が集まっているという。
外国人投資家は761億ウォン(約6326万ドル)相当の売り越し。
出来高は6億7546万株。取引された901銘柄のうち、364銘柄が上昇した。
シドニー株式市場は小反落。原油安にエネルギー関連銘柄が圧迫される中、当局は同国で2番目に人口の多い州であるビクトリア州での新型コロナウイルスの感染拡大を抑制するには、今後数週間を要するだろうと警告。これも売り材料となった。
ビクトリア州では先週末17日には、1日としてこれまで最多の438人の新型コロナ感染者数を発表している。一方、ニューサウスウェールズ(NSW)州も19日、ここ3カ月間で最も多い18人の感染者数を明らかにした。
アルゴノートの企業株式取引担当エグゼクティブディレクター、ジェームズ・マクグルー氏は「国内投資家は第2波に注目している。とりわけ、最大の経済規模を誇るNSW州での状況を見守っている」と指摘した。ビクトリア州での急増を踏まえた上で、感染者数の急増が不安をあおり、不確実性を拡大させるとの見方を示した。
ビクトリア、NSWの両州は民間航空機運航の中心地となっており、新型コロナの影響からの回復が長引くと予想は、旅行関連銘柄への大きな打撃となっている。これを受け、オンライン旅行代理店のウェブジェット (AX:WEB)、代理店大手のコーポレート・トラベル・マネジメント (AX:CTD)はそれぞれ約3.6%安となった。
エネルギー株指数 (AXEJ)は2.6%安。5月18日以来の安値を付けた。原油価格が下落する中、世界的な新型コロナの感染ペースの加速によって、今後の燃料需要の回復が妨げられるとの恐れが強まった。 石油・ガス大手サントス (AX:STO)は3.6%安、同業ウッドサイド・ペトロリアム (AX:WPL)は2.6%値を下げた。
この他金融株指数 (AXFJ)が1.1%安となるなど、指数を構成するほぼ全ての銘柄がマイナス圏に沈んだ。
(リフィニティブデータに基づく値です。前日比が一致しない場合があります) OLJPBUS Reuters Japan Online Report Business News 20200720T110515+0000