[東京 14日 ロイター] - 政府は14日に発表した2020年の防衛白書で、新型コロナウイルスの感染が拡大する中での中国の動きを取り上げ、引き続き海洋進出を活発させているほか、偽情報の流布を含む宣伝工作を行っているとの指摘があると警戒感を示した。
白書は、新型コロナ禍の中でも中国が日本の周りの海空域で活動を拡大させていると指摘。「国際的な協調・連携が必要な中、東シナ海においては、力を背景とした一方的な現状変更の試みを継続」しているとし、尖閣諸島(中国名:釣魚島)周辺の領海に中国公船が繰り返し侵入していることを取り上げた。
尖閣諸島は日本が実効支配する一方、中国と台湾も領有権を主張している。
白書はその上で、中国が「社会不安や混乱を契機とした偽情報の流布を含む様々な宣伝工作なども行っていると指摘される」と言及。ウイルスによる感染症の拡大は、「自らに有利な国際秩序・地域秩序の形成や影響力の拡大を目指した国家間の戦略的競争をより顕在化させ得る」とした。
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