[ニューヨーク 16日 ロイター] - 米国株式市場では、ダウ工業株30種が終値で最高値を更新した。追加景気対策への期待を追い風に、シクリカルセクターが上昇した。
一方、IT(情報技術)株に売りが出てナスダック総合は小幅安。金利上昇を巡る懸念を背景にS&P総合500種はほぼ横ばいで取引を終えた。
業種別では、経済活動再開の恩恵が大きいとみられるエネルギー、金融などが上げを主導した。バイデン米大統領は1兆9000億ドル規模の景気対策法案を今後数週間に可決するよう議会に求めている。
プルデンシャル・フィナンシャルの首席市場ストラテジスト、クインシー・クロスビー氏は、バイデン政権が大規模な景気対策実現に取り組むとの期待で市場はポジティブに動いていると述べた。
米10年債利回りが昨年2月以来の高水準を付けたことを受け、S&P500銀行指数も上昇した。
半面、公益事業や不動産は下げが目立った。両セクターは利益の安定性や配当の高さから、米国債価格と連動して動く傾向がある。金利に敏感な住宅建設株も軟調だった。
IT株も下落。アナリストは、同セクターには株価収益率(PER)の高い銘柄が多く、国債利回り上昇に伴いPERが圧迫される可能性があるとみている。
S&P500は日中高値から押し戻されて引けた。パー・スターリング・キャピタル・マネジメントのディレクター、ロバート・フィップス氏はこれについて、この日の国債利回り上昇を巡る懸念が背景にあると指摘。株式市場は緩やかな金利上昇には耐えられる公算が大きいが、急上昇すれば動揺が生じるとし、「金利は依然として非常に低水準にあるものの、株価は変化に極めて敏感に反応するだろう」と語った。
株式市場では、新型コロナウイルスの新規感染者減少やワクチン接種の進展、予想より好調な第4・四半期決算を背景に、早期の景気回復への期待が高まっている。
今週は、世界的な旅行需要の動向を見極めようと、ヒルトン・ワールドワイド・ホールディングスやハイアット・ホテルズ、マリオット・インターナショナル、ノルウェージャン・クルーズラインズ、トリップアドバイザーなど観光レジャー関連企業の決算に注目が集まる。
16日の取引では、暗号資産(仮想通貨)のビットコインが初めて5万ドル台に乗せたことを受け、シルバーゲート・キャピタルやライオット・ブロックチェーン、マラソン・パテント・グループなどブロックチェーン関連株も上昇した。
ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.06対1の比率で上回った。ナスダックでは1.12対1で値上がり銘柄数が多かった。
米取引所の合算出来高は148億9000万株。直近20営業日の平均は159億6000万株。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 31522.75 +64.35 +0.20 31472.08 31608.63 31443.48
前営業日終値 31458.40
ナスダック総合 14047.50 -47.98 -0.34 14152.22 14175.12 13995.45
前営業日終値 14095.47
S&P総合500種 3932.59 -2.24 -0.06 3939.61 3950.43 3923.85
前営業日終値 3934.83
ダウ輸送株20種 13180.74 +5.65 +0.04
ダウ公共株15種 851.20 -5.90 -0.69
フィラデルフィア半導体 3238.92 +19.05 +0.59
VIX指数 21.46 +1.49 +7.46
S&P一般消費財 1362.48 -6.05 -0.44
S&P素材 466.19 -0.87 -0.19
S&P工業 762.36 -0.36 -0.05
S&P主要消費財 674.05 -1.18 -0.17
S&P金融 532.19 +9.27 +1.77
S&P不動産 236.33 -2.55 -1.07
S&Pエネルギー 342.57 +7.58 +2.26
S&Pヘルスケア 1351.99 -13.95 -1.02
S&P通信サービス 238.55 +1.00 +0.42
S&P情報技術 2427.32 -7.19 -0.30
S&P公益事業 313.75 -3.62 -1.14
NYSE出来高 10.64億株
シカゴ日経先物3月限 ドル建て 30415 - 185 大阪比
シカゴ日経先物3月限 円建て 30415 - 185 大阪比
*内容を追加して再送します。