[東京 7日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は反発。米長期金利の低下により買い安心感が生じたほか、配当金の再投資に対する期待も株価を支える要因になっている。ただ、日経平均は戻りの目安として意識される75日移動平均線(2万9203円69銭=7日現在)で押し戻され、引き続き上値が重い状態となった。
前週末4日の米国株式市場は、主要3指数がそろって反発。5月米雇用統計の発表を受け、連邦準備理事会(FRB)の緩和縮小観測が後退して米長期金利が低下し、ハイテク株が上昇。雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比55万9000人増と、市場予想の65万人に届かなかった。
これを受けて、半導体関連株などグロース系の銘柄が息を吹き返す動きとなり、上値を追って始まったものの、すぐに失速してその後はプラス圏で一進一退。上値は重い印象だが、下値では買いが入り、全体的には底堅く推移した。
市場では「今週から上場企業の配当金の支払いが多くなる。その再投資が活発化するとの期待があるため、売り込まれる雰囲気は感じられず、底堅くなる要因となっているようだ」(雨宮総研・代表の雨宮京子氏)との声が聞かれる。
TOPIXは0.08%高。東証1部の売買代金は2兆1910億3500万円と細り気味になっている。東証33業種では、海運業、サービス業、情報・通信業などが上昇し、鉄鋼、銀行業、機械などが値下がりした。
個別では、任天堂、ソフトバンクグループなどがしっかりとなったほか、日立製作所が連日の年初来高値更新。半面、トヨタ自動車が連日の最高値更新となった後は売られて反落し、日本製鉄もさえない。
東証1部の騰落数は、値上がり1052銘柄に対し、値下がりが1036銘柄、変わらずが105銘柄だった。
終値 前日比 寄り付き 安値/高値
日経平均 29019.24 +77.72 29214.00 28973.05
─29241.20
TOPIX 1960.85 +1.66 1969.62 1956.58
─1970.72
東証出来高(万株) 94592 東証売買代金(億円) 21910.35