[ジュネーブ 29日 ロイター] - ウクライナ南東部の都市マリウポリで、4週間前のロシア軍による攻撃開始以降に数千人の民間人が死亡した可能性がある――。ウクライナの国連人権チーム責任者マチルダ・ボグナー氏が29日、ロイターに語った。同氏が累計死者数の見積もりを示したのは今回が初めて。
マリウポリのボイチェンコ市長の報道官は28日、ロシア軍の包囲が始まった1カ月前からこれまでに子ども210人を含む5000人近くが死亡したと明かした。市内の建物の9割が被害を受け、病院や学校、工場なども入れて4割は破壊されたという。
ボグナー氏は「マリウポリの民間人死者は数千人に上る可能性があると考えている」と述べ、人権チームとして正確な算定は出していないものの、より多くの情報収集に尽力しているところだと強調した。
国連人権事務所の声明によると、29日時点で確認されたウクライナ全土の戦争開始以降の民間人死者は1179人、負傷者は1860人だったが、各地からの報告は遅れているという。