■中期経営計画
同社グループは、「真のグローバルNo.1のホイストメーカー」になるという目標を掲げ、2012年3月期から2016年3月期までの中期経営計画を発表して実行してきた。
数値目標としては、2016年3月期に既存事業(オーガニック)で売上高60,000百万円、営業利益5,500百万円、営業利益率.9.2%を掲げていた。
売上高については、M&A分を含めて既にこの目標はクリアしているが、利益目標の達成はかなり難しいと言える。
しかし中期経営計画の目的は定量的な利益目標の達成だけではない。
定性的な企業体質を変えることも大きな目的と言えるので、その意味では同社は引続き下記のような施策を実行し、大きな目標である「真のグローバル企業として売上高1,000億円」を目指す考えである。
●地域戦略 従来からの主力市場である日本及び北米については、顧客との信頼関係及び強固な代理店網を維持しつつ業容を拡大する一方で、成長が続くアジア市場への積極的な投資を行っていく。
タイ・韓国ではクレーンの新工場稼動により生産能力を増強すると同時にカスタマーサービスを充実させる。
さらに管理体制を徹底的に強化する。
インドネシアでも受注活動を一段と本格化させる。
また台湾では合弁会社を通して既存事業の拡大及びクレーンビジネスの展開を図る。
●製品戦略 日本及び米州においては製品ラインアップを一段と強化し、特にロープホイストの拡販を積極的に行う。
一方で新しい工場が稼動した韓国、タイを中心としてクレーン生産能力を強化し、これに日本のエンジニアリング機能強化を加えることで、全体として「ソリューション提案力」を強化する。
●生産戦略 生産面においては、コスト削減、リスク分散のために引続き海外生産の拡充を行う。
具体的には、北米では一部の手動製品の現地生産、中国ではモーターなどクレーン製品の主要部品の現地調達をさらに進める。
これによって顧客サービスの向上及び在庫削減、さらには為替リスク及び調達コストの低減を図っていく。
●経営戦略 地域事業組織及び機能組織とのマトリックス機能運営を導入し、戦略アクション管理及び損益管理を強化してきたが、今後はこれに加えてグローバル企業として人材のグローバル化に取り組んでいく。
具体的には海外役員の登用及び成長が見込める地域への積極的な人員配置を進めている。
また成長戦略の一環として、良い案件があればM&Aも積極的に行う予定である。
以上のようにキトー (TOKYO:6409)は高い経営目標を掲げ、それに向かって進んでいる。
この目標を達成は容易ではないが、同社が真のグローバル企業になるために個々の施策を着実に実行、実現していくことは必須である。
定量的に数値目標を達成することは重要ではあるが、それ以上に定性的にも同社自身がどう変化していくか、その点が最も重要であり、今後の動向に注目したい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
数値目標としては、2016年3月期に既存事業(オーガニック)で売上高60,000百万円、営業利益5,500百万円、営業利益率.9.2%を掲げていた。
売上高については、M&A分を含めて既にこの目標はクリアしているが、利益目標の達成はかなり難しいと言える。
しかし中期経営計画の目的は定量的な利益目標の達成だけではない。
定性的な企業体質を変えることも大きな目的と言えるので、その意味では同社は引続き下記のような施策を実行し、大きな目標である「真のグローバル企業として売上高1,000億円」を目指す考えである。
●地域戦略 従来からの主力市場である日本及び北米については、顧客との信頼関係及び強固な代理店網を維持しつつ業容を拡大する一方で、成長が続くアジア市場への積極的な投資を行っていく。
タイ・韓国ではクレーンの新工場稼動により生産能力を増強すると同時にカスタマーサービスを充実させる。
さらに管理体制を徹底的に強化する。
インドネシアでも受注活動を一段と本格化させる。
また台湾では合弁会社を通して既存事業の拡大及びクレーンビジネスの展開を図る。
●製品戦略 日本及び米州においては製品ラインアップを一段と強化し、特にロープホイストの拡販を積極的に行う。
一方で新しい工場が稼動した韓国、タイを中心としてクレーン生産能力を強化し、これに日本のエンジニアリング機能強化を加えることで、全体として「ソリューション提案力」を強化する。
●生産戦略 生産面においては、コスト削減、リスク分散のために引続き海外生産の拡充を行う。
具体的には、北米では一部の手動製品の現地生産、中国ではモーターなどクレーン製品の主要部品の現地調達をさらに進める。
これによって顧客サービスの向上及び在庫削減、さらには為替リスク及び調達コストの低減を図っていく。
●経営戦略 地域事業組織及び機能組織とのマトリックス機能運営を導入し、戦略アクション管理及び損益管理を強化してきたが、今後はこれに加えてグローバル企業として人材のグローバル化に取り組んでいく。
具体的には海外役員の登用及び成長が見込める地域への積極的な人員配置を進めている。
また成長戦略の一環として、良い案件があればM&Aも積極的に行う予定である。
以上のようにキトー (TOKYO:6409)は高い経営目標を掲げ、それに向かって進んでいる。
この目標を達成は容易ではないが、同社が真のグローバル企業になるために個々の施策を着実に実行、実現していくことは必須である。
定量的に数値目標を達成することは重要ではあるが、それ以上に定性的にも同社自身がどう変化していくか、その点が最も重要であり、今後の動向に注目したい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)