4日の香港市場は小幅に値下がり。
主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比132.34ポイント(0.49%)安の26761.52ポイントと5日続落し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が89.52ポイント(0.86%)安の10341.12ポイントと反落した。
ハンセンは約5カ月ぶりの安値水準に落ち込んでいる。
売買代金は783億800万香港ドルと低調だった(3日は827億1800万香港ドル)。
米中の非難応酬が止まらず、投資家のリスク回避スタンスが強まる展開。
3日(現地時間)の共同記者会見で米財務省と米通商代表部は、「協議中断の全責任は米国側にある」と中国政府が2日に非難したことに失望を表明した。
そのうえで「米中両国の重要な合意事項を撤回したのは中国側だ」と指摘している。
人民元安進行の一服などを好感し小高くスタートしたものの、指数は程なくマイナスに転じた。
ハンセン指数の構成銘柄では、医薬品メーカーの石薬集団(1093/HK)が3.8%安、光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が2.6%安、バイオ製薬・中医薬メーカーの中国生物製薬(1177/HK)が2.4%安、生命保険事業で中国最大手の中国人寿保険(チャイナライフ:2628/HK)が2.2%安と下げが目立った。
医薬品株に関しては、中国財政部が4日、6~7月にかけて医薬品各社の会計情報を精査すると発表したことを嫌気している。
業種別では、中国の金融が安い。
上記した中国人寿保険のほか、新華人寿保険(1336/HK)が4.5%、華泰証券(6886/HK)が2.3%、招商銀行(3968/HK)が1.9%、広発証券(1776/HK)が1.8%ずつ下落した。
中国自動車セクターもさえない。
吉利汽車HD(175/HK)と広州汽車集団(2238/HK)がそろって2.2%安、比亜迪(BYD:1211/HK)が1.6%安、北京汽車(1958/HK)が1.3%安で引けた。
食品・飲料や酒造など消費関連セクターも売られる。
康師傅HD(ティンイー:322/HK)が3.1%安、中国旺旺HD(151/HK)が1.7%安、統一企業中国HD(220/HK)が1.4%安、青島ビール(168/HK)が3.9%安と値を下げた。
他の個別株動向では、中国スマートフォン大手の小米集団(シャオミ・コーポレーション:1810/HK)が0.8%安の9.02香港ドルと続落。
連日で上場来安値を更新した(同社株は2018年7月9日に新規上場、公募価格の17.00香港ドルを2.4%下回る16.60香港ドルで初値を付けている)。
足元の株価低迷は、米中の貿易摩擦が主因。
さらに米国が5月31日、インドに適用している関税優遇措置を6月5日に打ち切ると発表したことも不安材料だ。
市場関係者の間では、インド市場開拓に力を入れる小米にマイナスの影響をもたらす可能性が懸念されている。
同社は3日、自社株買いを実施したと発表したものの、これを好感した買いは限定的された。
一方、本土市場は4日続落。
主要指標の上海総合指数は、前日比0.96%安の2862.28ポイントで取引を終えた。
保険株が下げを主導する。
医薬品株も安い。
資源・素材株、運輸株、インフラ関連株、自動車株、消費関連株、半導体株、農業関連株も値下がりした。
半面、ハイテク株の一角は物色されている。
【亜州IR】