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アジュバン Research Memo(6):カラー剤事業は、既存店舗の売上高の底上げに注力

発行済 2016-06-06 16:39
更新済 2016-06-06 17:00
アジュバン Research Memo(6):カラー剤事業は、既存店舗の売上高の底上げに注力
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■2016年3月期決算分析 (4)カラー剤のテコ入れと成長シナリオ アジュバンコスメジャパン (T:4929)は2014年秋からカラー剤に参入した。
対象をアンチエイジング需要のグレイヘアー市場に絞り、商品点数(カラーバリエーション)を25色に抑えながらも、低刺激で、きれいに染め上がることを武器に拡販を目指した。
参入時に同社の描いた当面の目標は、導入店舗1,200店(A・C・Sサロンの約20%)、1店当たり半期25万円の売上高(年間50万円)で、年間600百万円の売上高というものであった。
2016年3月期を終えた現在、導入店舗数約500店、1店当たり月販1万円~2万円(年間12万円~24万円)という状況だ。
2016年3月期の実績からは月平均売上高は1万円に近い水準だったことが読み取れる。
同社はしかし、カラー剤事業に決して失望してはいない。
事業開始後1年半の実績は予想を大きく下回ったが、中長期的ポテンシャルにはむしろ自信を深めたようだ。
2017年3月期のカラー剤事業の戦略として、店舗数の拡大は追わず、既存の店舗の売上高を底上げすることに注力する方針だ。
店舗数を追わない理由は、限られた営業人員を店舗数拡大に消費するよりも、既存の店舗における売上高を拡大させるほうが、効率が良いと判断したためだ。
弊社もこの点は同感だ。
同社のカラー剤は低刺激性に特徴があるため、潜在需要は大きいと考えている。
既存の500店舗も営業担当者による営業以外にも、サロン側から自発的に発注されたケースも多いとみられる。
すなわち、取扱店舗数は自然に増加することが期待されるが、そこは配送センターから直接カバーできる。
営業担当者の活用法としては、同社製品に理解の深いロイヤルサロンを深耕する一環として、カラー剤の特徴や活用法をきちんと説明して増販につなげるほうが効率的と言えるだろう。
2017年3月期について同社はカラー剤売上高を104百万円としている。
これは現状の500店舗に対して年間平均20万円の売上高で到達する値だ。
2017年3月期中の改善効果が全く織り込まれていないという意味で、非常に保守的な数値と言える。
同社がこうした計画を公表した理由は、店舗当たり売上高が伸びることには自信がある一方、増販の程度については様々な想定が可能で、確信の持てる見通しが得られなかったためと考えている。
(5)ローリング中計 同社は3ヶ年中期経営計画を策定し、毎年、業績計画をローリングすることを基本としてきた。
最新のローリング中計は2015年4月に策定された、2016年3月期~2018年3月期の3ヶ年計画だ。
2017年3月期の業績予想はこの中計の2017年3月期計画と同じ数値となっており、また、2019年3月期の新計画を策定・発表していないため、表面的には、今期はローリングを見送った形となっている。
実際のところは、見直し作業は進めているが、今年6月に社長交代を含む経営陣の変更が計画されていることや、2015年3月期以来、非正規流通対策をはじめとして内部的な問題解決・改善に努めてきていることの総仕上げが2017年3月期になるという特異な事情があることなどから、通常のスケジュールに無理にこだわることを避けた、という状況のようだ。
弊社では、同社が2017年3月期中に体制固めを終了して再び攻勢に転じるのに合わせて、2018年3月期からの新中期経営計画を策定・発表してくるのではないかと予想している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

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