21日の原油価格は上昇を続けているものの、米中貿易戦争の懸念を背景に上値は重い展開となっている。
WTI原油先物は0.49%高の63.52ドル、ブレント原油先物は0.19%高の72.11ドルを付けている。
OPECと非加盟産油国が6月も減産を継続するという報道が原油価格上昇を支えている。
サウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相は協調減産で割り当てられた目標値を上回る水準で年末まで減産を行うと述べた。
また、同氏は他のOPECプラス諸国に対しても同様に減産を継続してほしいと表明した。
同氏の発言を受け21日の原油価格は上昇している。ただし、アレクサンドル・ノバク露エネルギー相がブルームバーグの取材に対し、来月の会合でOPECプラスが現行の生産合意を「微調整する」必要があると述べたのちに付けた高値には到達していない。
ノバク氏は、現行の減産目標に関する「オーバーコンプライアンスを排除する」ことが「微調整」の選択肢の一つであるとした。この動きが実現すれば今年下半期の減産が軽減されるだろう。
原油価格は長引く米中貿易戦争が世界的な経済後退を招くという懸念からも下げ圧力を受けた。
グーグル(NASDAQ:GOOGL)がファーウェイ製機器によるグーグルOSのアンドロイドのアップデートを制限するという報道を受け、貿易摩擦はさらに悪化した。
加えて、ブルームバーグによると、インテル(NASDAQ:INTC)、クアルコム(NASDAQ:QCOM)、ブロードコム(NASDAQ:AVGO)は今後通知がない限りファーウェイに部品供給を行わないという。
一方で米商務省は、ファーウェイ製品に用いられる米製品の輸出規制について一定期間の猶予を認めると発表した。