[ニューヨーク 18日 ロイター] - 21日から始まる週の米株式市場では、前週に米連邦準備理事会(FRB)が政策金利据え置きを決めたことでボラティリティがあらためて上昇し、株式相場は下落する見通しだ。ただ一方で、いくぶん余裕が生まれた業種もある。有配株と、住宅関連株だ。
S&P総合500種指数採用企業の平均配当利回りは2.2%で、現在の米国債10年物の利回り(2.14%前後)を上回っている。政策金利は短期的に上昇しないとの確信が得られたいま、収益を追求する投資家からは妙味があると受け止められるだろう。
配当利回りがより高いセクターもある。たとえば、通信サービス業は5.35%だ。 公益株や不動産投資信託(REIT)は、金利据え置き決定後、株価が上昇している。18日のS&P総合500種公共事業セクター指数 .SPLRCU は0.6%安だったものの、金利発表後のパフォーマンスでは全業種中最も高かった。 フェデレーテッド・インベスターズのシニア・ポートフォリオ・マネジャーを務めるスティーブン・ガッチ氏は「金利は、より長期にわたり低下するかもしれない。REITや公益株などの有配株で急激に売られたものは、徐々に底を打つのではないか」と予想。「そういった株は、いまの割高な相場にあっても適正水準にあり、投資妙味がある」と指摘した。 近年の超低金利の環境下で、配当のある株は債券と比べても遜色のない状態にある。 公共事業セクター指数は昨年、24.3%上昇し、S&Pのセクター中で最高の伸びとなった。ただ今年に入ってからは、利上げ観測を受けた国債利回りの上昇を背景に下落してきた。 金利が据え置かれたことで、公益株は選好されるかもしれない。
住宅関連株については、低金利がより長期化することで住宅ローンが借りやすくなるため、恩恵を受ける可能性がある。米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長は17日、雇用市場や賃金上昇が改善するにつれ、住宅需要も増えるとの見方を示した。 住宅関連株は今年、相場全体をアウトパフォームしており、フィラデルフィア住宅建設株指数 .HGX は10.9%上昇とS&P500種の4.5%下落を上回っている。 21日から始まる週では、レナー LEN.N とプルトグループ PHM.N が住宅販売報告を発表する予定で、株価が動く可能性がある。