[上海 30日 ロイター] - 中国湖北省武漢市を発生源とする新型コロナウイルスによる肺炎は感染がさらに拡大し、死者数も日ごとに増えている。中国国家衛生健康委員会は30日、29日時点で死者数が38人増え170人に、感染者数は1700人超増えて7711人になったと発表した。感染が疑われる人は1万2167人としている。
発生源の湖北省では、29日時点で死者が37人増えて162人に、感染者数は1032人増えて4586人になったなったという。
中国国外でも、これまでに日本をはじめ、少なくとも15カ国で感染者が確認されており、各国政府は、湖北省に在留する自国民の退避措置を急いでいる。
世界保健機関(WHO)は30日に緊急会合を開き、国際的な緊急事態と判断するかどうか再度協議する。前週は緊急事態宣言を見送っている。
WHOのテドロス・アダノム事務局長は29日の記者会見で「ここ数日の状況、特に一部の国の状況や人から人への感染という事実を憂慮している」と述べ「中国以外の症例はまだ比較的少ないが、より大規模な感染につながる可能性がある」と述べた。
日本や米国はすでにチャーター機で自国民を帰国させた。英、仏、カナダなども同様な措置に動いている。
政府の渡航自粛勧告、それに伴う企業の出張や旅行の中止を受け、民間航空各社は中国路線の運航を見直している。すでにブリティッシュ・エアウェイズ(BA)などが一時的な運航停止を発表した。