中国の輸出入総額は今年5月に、前年同月比2.6％減の3121億4800万米ドル（約33兆4170億円）に低迷した。 うち輸出は4.1％減の1810億6400万米ドル（市場予想は4.0％減）と、2カ月連続のマイナス成長。
輸入は0.4％減の1310億8400万米ドル（市場予想は6.8％減）に低迷し、19カ月連続で前年同月の実績を割り込んでいる。
中国海関総署（税関）が8日発表した。
5月の貿易黒字は499億8000万米ドル。
前月比で9.7％増加した計算となる。
1～5月の累計では、輸出入総額が8.6％減の1兆4101億2700万米ドル。
うち輸出は7.3％減の8138億1200万米ドル、輸入は10.3％減の5963億1400万米ドルに低迷した。
貿易黒字は2174億9800万米ドルに積み上がっている。
一般貿易の輸出入総額（人民元ベース）は、1.3％減の5兆1600億人民元に縮小した。
ただ、輸出入全体に占める割合は56.4％と、前年同期から1.1ポイント拡大している。
うち一般貿易の輸出は0.8％増加した。
相手国・地域別の輸出額（米ドルベース）は、主要エリアで軒並み低迷。
最大の貿易相手であるEUが4.0％減少したほか、米国は9.6％、日本は6.6％、アセアンは7.5％、香港は4.7％ずつ縮小した。
品目別の輸出額（人民元ベース）は、機械・電力設備が縮小する半面、伝統的な労働集約型製品で小幅ながら増加した。
輸出全体の57.3％を占める機械・電力設備は2.5％減の3兆300億人民元。
全体の20.9％を占める7大労働集約型製品（服飾、紡績品、靴類、家具、プラスチック製品、バッグ、玩具）は2.0％増の1兆1028億人民元に伸びた。
なお、3月に開催された全国人民代表大会（全人代、国会に相当）の冒頭演説で、李克強首相は2016年の輸出入の成長率目標について、「安定を回復する」と述べ、具体的な数字を挙げなかった。
昨年の目標値は「前年比6％前後の増加」だったが、実際は8.0％減とマイナス成長に終わっている。
【亜州IR】