ドル/円
午後3時現在 92.39/43 1.3502/09 124.80/83
正午現在 92.29/34 1.3474/78 124.40/45
午前9時現在 92.39/45 1.3489/91 124.64/69
NY17時現在 92.51/55 1.3476/80 124.64/69
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[東京 30日 ロイター] 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点
から小幅安の92円前半で推移している。期末をにらんだ実需のフローが交錯したほか、
93円付近で上値の重さが意識された。市場では、中国人民銀行(中央銀行)で新たに任
命された金融政策委員から、人民元切り上げに関する柔軟な発言が相次いだことが関心を
集めた。ただ、人民元切り上げ観測の強まりは、アジア通貨としての円買いにはつながら
なかった。
ドル/円は、92円半ばから前半へと緩やかに下落した。期末を意識した輸出企業をは
じめとする実需のフローが続いたほか、このところ強まっている93円付近の上値の重さ
が意識された。ただ、下値は92.12円までで、下げ幅は限定的。
「ドルの先高感に乗ったロング筋のポジションの調整が入り、さらに92円割れのスト
ップロスが意識された。ただ、92円付近にはそれなりに買いも入っていたようだ」(セ
ントラル短資FX執行役員、武田明久氏)との声が出ている。
中国人民銀行(中央銀行)で新たに任命された金融政策委員から、人民元切り上げに関
する柔軟な発言が出た直後に92.12円できょうの安値をつけたが、反応は限定的。以
前のようなアジア通貨買い/円買いにはつながらなかった。
米雇用統計で米雇用の改善が示されるとの期待から米長期金利とドルが堅調に推移して
きたが、すでにかなり織り込んだとの見方が広がっている。「噂で買ったあと事実で売る
ことに対する警戒が必要。長期金利の4%とドル/円の93円が重くなってきた」(みず
ほコーポレート銀行マーケット・エコノミスト、唐鎌大輔氏)との声が出ている。
唐鎌氏は「歴史的にみて、FFレートと米長期金利の差は4%が限界。すでに限界近く
まで上がっており、米金利をにらんだドル/円の上昇もそろそろ限度いっぱいに近い」と
いう。
<中国人民銀行金融政策委員から人民元切り上げで柔軟発言相次ぐ>
中国人民銀行から新たに金融政策委員会の外部委員に任命されたメンバーから、人民元
の切り上げに関する発言が続いている。夏斌氏が30日、ロイターとのインタビューで、
中国はできるだけ速やかに人民元の段階的上昇を再開すべきだと述べたほか、財経による
と、李稲葵氏は、海外からの圧力を阻止するため、中国は9月前に人民元相場を調整すべ
きとして、タイミングに言及した。
これまでにも人民銀行関係者から人民元の切り上げに関する前向きなコメントが聞かれ
るようになってきており、市場関係者の間でも切り上げが徐々に現実味を帯びてきている
。「現地企業に対して人民元切り上げに備えた準備をするよう指示もあったようだ。海外
からの人民元切り上げ要望も意識して、こうした発言でノンデリバラブル・フォワード(
NDF)や他のアジア通貨の反応をみながら市場との対話を始めているのではないか」(
大手銀行)と受け止められている。
伊藤忠商事のチーフエコノミスト、中島精也氏は「4月の米為替報告書で為替操作国認
定を回避するため、中国内にも柔軟な意見があるとアピールしているのだろう。中国は、
世界経済の回復を確認するため半年程度は時間を稼ぎたいところ。切り上げのタイミング
でフリーハンドを確保することが狙いだ」とみている。
そのうえで「米国議会との駆け引きの瀬踏み次第で切り上げ前倒しもありうるが、メイ
ンシナリオは為替報告書をかわしてフリーハンド確保だ。ただ、中国も人民元切り上げが
必要なことは理解している」(伊藤忠商事、中島氏)という。
人民元切り上げを金融引き締めとセットで考えるべきか、対外関係を軸に考えるべきか
については「中国は人民元の利用を広げようとしており、対外関係に配慮して動くだろう
。金融引き締めとセットで動かすなら切り上げは来年になる可能性もあるが、むしろG2
0などの政治日程をにらんで先手を打つ形で動いてくるとみている」(大手銀行)との声
が聞かれた。
一方、ドル/円の反応は限定的。一時92.12円まで小幅下落したが、間もなく下げ
渋った。市場では「人民元の切り上げは、本来アジア通貨高とは別だ。ファーストリアク
ションとしてそうした反応はあるかもしれないが、本質的には人民元が上昇するなら他の
アジア通貨が上昇する理由はない」(大手銀行)との声が出ている。市場にはこれまで人
民元の先高観測から代替的にアジア通貨を買う動きがあった。
中国人民銀行は29日、ウェブサイト上で金融政策委員会の外部委員3人を指名したこ
とを明らかにした。指名されたのは夏斌氏のほか、北京大学中国経済研究センター所長の
周其仁氏、清華大教授の李稲葵氏。 国営メディアによると、委員会はきょう午後、金融
政策を協議する。
一方、米ホワイトハウスによると、オバマ大統領が中国の張業遂・新駐米大使と会い、
米政府が中国との前向きな関係を「さらに発展させること」を望んでいると伝えたことを
明らかにした。
(ロイター日本語ニュース 松平 陽子)
※( ロイターメッセージング:yoko.matsudaira.reuters.com@reuters.net
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