[ムンバイ 8日 ロイター] - インド準備銀行(中央銀行)は8日、主要政策金利のレポレートを6.5%に据え置いた。金利据え置きは2会合連続。全会一致の決定だった。ただ、インフレ圧力をさらに抑制するため、引き締まった金融環境はしばらく続くと示唆した。
ロイターが64人のエコノミストを対象に5月16─29日に実施した調査では全員が据え置きを予想していた。
ダス総裁は経済成長を引き続き支援しつつ、インフレ率が徐々に目標に合致していくよう、政策の緩和解除スタンスを維持するとした。
「われわれの目標は4%のインフレ目標を達成することで、インフレ率を2─6%のレンジ内に維持するのでは十分でない」と指摘。インフレ期待を引き続き抑制するため、必要に応じて速やかに行動するとも述べた。
記者団に「今回は一時停止であり、私はピボット(政策転換)について何も言っていない。前回会合で私が言ったこと、つまりピボットではないということは改めて強調する」と述べた。
インドの指標10年債利回りは政策決定発表前の6.99%から7%台に上昇。インドルピーはほぼ変わらず。
コタク・インスティチューショナル・エクイティーズのシニアエコノミスト、サボディープ・ラクシット氏は、中銀がインフレの軌道に引き続き警戒しているとし、「長期の据え置き局面に入るというわれわれの見方を維持する」と述べた。
中銀は2023/24年の成長率が6.5%、小売インフレ率が平均5.1%になると予想。インフレについては、モンスーン雨量が平年を下回った場合に上昇する可能性のある食料価格の動向が鍵だとした。
ダス氏は、リスクは依然としてあるとしつつ、「国内のマクロ経済ファンダメンタルズは強まっている」と語った。
IDFCファースト・バンクのエコノミスト、ガウラ・セン・グプタ氏は「成長率が堅調となる中、金融政策は23年12月まで長期休止し、インフレ率を4%目標に合致させることに引き続き集中すると予想している」と述べた。
ダス氏は、銀行システムに余剰流動性があるにもかかわらず翌日物金利が上昇する中、機敏な流動性オペレーションを維持すると表明した。