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欧米為替見通し:ドル・円は下げ渋りか、米中首脳会談を控え警戒のドル買いも

発行済 2018-11-30 17:25
更新済 2018-11-30 17:40
欧米為替見通し:ドル・円は下げ渋りか、米中首脳会談を控え警戒のドル買いも
30日の欧米外為市場では、ドル・円は下げ渋る展開を予想する。
米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げペース減速への思惑からドル売り基調は継続の見通し。
ただ、週末の米中首脳会談を控え、対欧州通貨などでは安全通貨のドルに買いが入りやすく、対円での下げは小幅にとどまろう。


前日公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(11月7-8日開催分)で、利上げ打ち止めのタイミングなどが議論されたことが明らかになった。
それに先立ち、パウエルFRB議長は28日の講演で政策金利の中立的水準への到達が早まるとの趣旨の発言をしており、FRBの2020年までの利上げシナリオは来年以降緩やかになりそうだ。
利上げペース鈍化を見込んだドル売りはなお継続し、本日のアジア市場でドル・円は113円台前半と前日からの水準を引き下げて取引されている。
今晩もFOMC議事要旨を消化する展開で、欧米市場ではドル売りに振れやすい地合いが見込まれる。


今晩の取引では、この週末に行われる米中首脳会談が最大の焦点。
米トランプ政権は貿易赤字是正に向け中国政府への政策変更を迫り、中国側はどこまで譲歩するか注目される。
これまでのところ両国とも妥協する姿勢を示しておらず、全面解決か決裂かは予想しにくい。
本日発表された中国11月の製造業と非製造業のPMIはいずれも低下しており、決裂の場合には中国および世界経済への一段の影響を懸念した円買いに振れよう。
他方、欧州連合(EU)離脱に関する英国内での議会承認は依然として不透明なこともあり、欧州通貨売り・ドル買いに振れやすく、ドル・円の下げは限定的となりそうだ。
(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・19:00 ユーロ圏・11月消費者物価指数(前年比予想:+2.0%、10月:+2.2%)
・19:00 ユーロ圏・10月失業率(予想:8.0%、9月:8.1%)
・21:00 南ア・10月貿易収支(予想:-50億ランド、9月:-30億ランド)
・22:30 カナダ・7-9月期GDP(前期比年率予想:+2.0%、4-6月期:+2.9%)
・23:00 ウィリアムズNY連銀総裁講演(世界経済)
・23:45 米・11月シカゴ購買部協会景気指数(予想:58.5、10月:58.4)
・G20首脳会議(アルゼンチン、12月1日まで)


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