■今後の注目点・課題
(1) 「VV Webbed」の販売手数料は喫緊の課題
現在、売上高の約25%を「VV Webbed」のWeb運営会社に販売手数料等として支払っている。
この販売手数料はWeb代と配送費から構成され、現状は、両方とも売上高に連動する契約となっている。
2017年第1四半期業績では、「VV Webbed」の売上高は前年同期比10.5%増(公式通販は同39.3%増)と高い伸びを示し、売上総利益率も38.5%から41.0%に大きく改善した。
しかしながら、戦略的に人件費を投入したほか、この高い販売手数料の負担もあり、若干の営業損失の計上となった(前年同期は1百万円の営業利益)。
この契約は、「VV Webbed」の売上高が小規模だった時に締結されたもので、現状に即しているものとは言えない。
ヴィレッジヴァンガードコーポレーション (T:2769)でもこれを喫緊の課題と考えている。
(2)オンライン販売の「VV Webbed」との棲み分け、有力クリエイターへの関与を深めて売上拡大を狙う
「VV Webbed」での販売商品は、実店舗と同様に雑貨が主であるが、店舗より一層エッジが効いた商品を提供している。
反響があったクリエイター商品には、「卓上セーブポイント」、「彼岸花ワンピース」、「青色りんごジャム」、「君の名は。
公開記念グッズ」などがある。
元々は、「ヴィレッジヴァンガード」店舗と同じ商品を販売していたが、3年程前から棲み分けを行い、売上を伸ばしている。
「VV Webbed」では、個人のクリエイター商品が多く好評を得ており、特に好評なものは実店舗でも販売を開始した。
個人のクリエイターを使うので在庫リスクもほぼなくて済むという同社側のメリットもある。
同社は、クリエイター商品及び限定商品の大きな伸びを受けて、オリジナル商品の強化や有力クリエイターへの関与度を高めて創作活動の更なる進化に貢献していく方針を打ち出している。
同社とクリエイターのWin-Winの関係を強化しながら、売上増を狙う。
(3)ボトムアップ型がうまく機能、今後もこの好循環を生かせるか
先に述べたように、同社は店長やアルバイト店員の権限が強く、仕入も店舗側の注文によるという、大規模小売店でよく見られるトップダウン型の仕入体制とはまったく逆の体制だ。
また、店舗の顧客がアルバイトとして勤務し、その後、正社員になり、マネージャーになるというキャリアも多く見られるようだ。
同社のアルバイトの時給は最低賃金で交通費は支払われないなど、待遇面だけを見ると他社に劣るだろう。
しかしながら、同社は仕入の権限を店舗に委ねていることなどから、従業員にとってのやりがいというメリットが、劣った待遇面を補っているとも解釈できる。
このボトムアップ型の企業経営は珍しく、また舵取りも難しいだろう。
(執筆:フィスコアナリスト 清水 さくら)
(1) 「VV Webbed」の販売手数料は喫緊の課題
現在、売上高の約25%を「VV Webbed」のWeb運営会社に販売手数料等として支払っている。
この販売手数料はWeb代と配送費から構成され、現状は、両方とも売上高に連動する契約となっている。
2017年第1四半期業績では、「VV Webbed」の売上高は前年同期比10.5%増(公式通販は同39.3%増)と高い伸びを示し、売上総利益率も38.5%から41.0%に大きく改善した。
しかしながら、戦略的に人件費を投入したほか、この高い販売手数料の負担もあり、若干の営業損失の計上となった(前年同期は1百万円の営業利益)。
この契約は、「VV Webbed」の売上高が小規模だった時に締結されたもので、現状に即しているものとは言えない。
ヴィレッジヴァンガードコーポレーション (T:2769)でもこれを喫緊の課題と考えている。
(2)オンライン販売の「VV Webbed」との棲み分け、有力クリエイターへの関与を深めて売上拡大を狙う
「VV Webbed」での販売商品は、実店舗と同様に雑貨が主であるが、店舗より一層エッジが効いた商品を提供している。
反響があったクリエイター商品には、「卓上セーブポイント」、「彼岸花ワンピース」、「青色りんごジャム」、「君の名は。
公開記念グッズ」などがある。
元々は、「ヴィレッジヴァンガード」店舗と同じ商品を販売していたが、3年程前から棲み分けを行い、売上を伸ばしている。
「VV Webbed」では、個人のクリエイター商品が多く好評を得ており、特に好評なものは実店舗でも販売を開始した。
個人のクリエイターを使うので在庫リスクもほぼなくて済むという同社側のメリットもある。
同社は、クリエイター商品及び限定商品の大きな伸びを受けて、オリジナル商品の強化や有力クリエイターへの関与度を高めて創作活動の更なる進化に貢献していく方針を打ち出している。
同社とクリエイターのWin-Winの関係を強化しながら、売上増を狙う。
(3)ボトムアップ型がうまく機能、今後もこの好循環を生かせるか
先に述べたように、同社は店長やアルバイト店員の権限が強く、仕入も店舗側の注文によるという、大規模小売店でよく見られるトップダウン型の仕入体制とはまったく逆の体制だ。
また、店舗の顧客がアルバイトとして勤務し、その後、正社員になり、マネージャーになるというキャリアも多く見られるようだ。
同社のアルバイトの時給は最低賃金で交通費は支払われないなど、待遇面だけを見ると他社に劣るだろう。
しかしながら、同社は仕入の権限を店舗に委ねていることなどから、従業員にとってのやりがいというメリットが、劣った待遇面を補っているとも解釈できる。
このボトムアップ型の企業経営は珍しく、また舵取りも難しいだろう。
(執筆:フィスコアナリスト 清水 さくら)