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ディーブイエックス<3079>---2007年に上場以来、連続増収増益で実質増配を続ける医療機器専門商社

発行済 2016-11-01 09:17
更新済 2016-11-01 09:33
ディーブイエックス<3079>---2007年に上場以来、連続増収増益で実質増配を続ける医療機器専門商社
3079
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ラジオNIKKEI マーケットプレスの『フィスコ presents 注目企業分析』10月31日放送において、ディーブイエックス (T:3079)を取り上げている。
主な内容は以下の通り。


■会社概況

ディーブイエックス (T:3079) は、1986 年創業の循環器疾病分野を中心とした医療機器の販売会社。
不整脈事業(販売代理店業)と虚血(きょけつ)事業(主に輸入総代理店業)を2 本柱とする。
不整脈事業の市場シェアは関東圏で40%、全国でも22%とトップで、顧客に対する技術営業サポート力を武器にシェアを拡大してきている。
虚血事業では主に国内に競合品がない高度医療機器を海外で発掘し、独占販売権を持って輸入総代理店となり、医療施設や代理店向けに販売を行っている。
ちなみに社名は、開発・発展を意味する「Development」のDに、Venture企業のV、未知数・無限の可能性という意味のXを繋げたもので、常にVenture精神を持ち続け、新医療技術の開拓と開発に貢献し、その成功に無限の可能性を求め続ける企業でありたいとの信念が込められている。


■事業概要

同社の事業は「不整脈事業」「虚血事業」「その他」と3 つの事業に区分されている。
2016 年3 月期の売上高構成比で見ると、「不整脈事業」が81.8%、「虚血事業」が15.5% と2 事業で全体の97% 以上を占めており、ここ数年この傾向は変わっていない。
また、2007 年に株式を上場して以来、連続増収増益、実質増配を続けているような状況にある。


主力の「不整脈事業」はメーカーまたは商社から関連商品を仕入れて医療施設に販売するビジネスモデルで、心臓ペースメーカー、ICD(植込み型除細動器)、検査用電極カテーテルなどを手がけている。
同じ製品を扱う競合企業もあるため、価格競争が生じやすい事業環境となっている。
このため、同社では商品の技術情報などに精通した営業マンの育成に注力しており、営業技術サポート力で他社と差別化することで高い実績を出している。
例えば、ペースメーカなどの埋め込みデバイスに関わる情報提供担当者の質的向上を目的として「CDR (Cardiac Device Representatives)認証制度」が業界内で設けられている。
業界指定の講習会と検定試験に合格すればCDR の資格を取得できるというもの。
同社の営業人員約100 名のうち70 名は既にCDR を取得しており、業界では最大規模となっている。


また同社の取り扱う製品は専門的な技術知識を必要とされるだけでなく、サポート力も要求されるため、実際に製品を扱う医師と営業マンの信頼関係が取引上で最も重要視されている。
不整脈関連製品を専門に扱う商社は少なく、経験豊富なベテラン営業マンを多く抱え、症例件数の多い医療施設での納入実績が高いことが同社の強みとなっている。
また、厚生行政が地域基幹病院に高度医療を集中させ、医療の効率化を図ろうとしていることも、同社にとっては追い風となっている。


新規顧客(医療施設)を開拓するきっかけとして一番多いケースは、顧客である医師が転勤するタイミングとなる。
転勤先においても取引の継続を希望する医師が多く、転勤先の医療施設が新規顧客となっていくという好循環を生み出している。
また、転勤先が地方の医療施設で同社の営業拠点がない場合でも、採算を考慮した上で出張所や営業所を開設し、顧客対応していく企業姿勢も信頼される要因の1つ。


一方で「虚血事業」では、自動造影剤注入装置(製品名ACIST (アシスト))、エキシマレーザ血管形成システム、PTA バルーンカテーテルなどを手がけている。
同社が独占販売権を持ち輸入総代理店となって、販売代理店を通じて全国の医療施設に販売している。


2000 年に輸入販売を開始した自動造影剤注入装置は、装置本体の市場シェアで50%、消耗品で同60% 以上のシェアを占める競争力の高い商品となっており、同事業セグメントが高い利益率を維持している要因にもなっている。
同装置を導入している医療施設数は2016 年3 月末時点で400 を超え、台数では約600 台が稼働している。
国内での普及はほぼ一巡しており、現在は消耗品販売が売上高の中心となっている。


エキシマレーザ血管形成システムは、2012年7月にコロナリー(冠動脈治療用) カテーテルの保険適用が開始されたことで本格的に普及が始まった製品で、2017年度には下肢末梢動脈治療用での薬事承認が得られる見通しで、更なる普及拡大が期待される。


その他事業では、脳神経外科関連商品や消化器関連商品、放射線防護用品などを扱っている。



■足元の業績
2017年3月期第1四半期(16年4-6月)の売上高が前年同期比16.0%増の85.15億円、営業利益が前年同期比34.4%増の3.77億円、経常利益が前年同期比17.3%増の3.34億円、四半期純利益が前年同期比55.0%減の2.34億円だった。


不整脈事業、虚血事業のどちらも主力製品が堅調でセグメントの売上高、利益ともに前年同期比で10%以上の増加を見せた他、その他事業においても、脳外科関連商品等が好調で、売上高は前年同期比 54.1%増2.51億円、セグメント利益は前年同期比25.3%増の0.31億円の大幅増収増益となった。
四半期純利益が55.0%減となっているのは、前年同期に投資有価証券売却益が特別利益として計上されていた影響。
まだまだ構成比は小さいものの、個人的には脳外科関連商品等の伸びも期待しているところです。


■通期業績

2017 年3 月期の業績は、売上高が前期比5.8% 増の332.00億円、営業利益が前期比3.0% 増の15.36億円、経常利益が前期比5.2%増の15.36億円、当期純利益が前期比20.3%減の10.28億円となる見通し。
当期純利益については前期に投資有価証券売却益を計上した反動で減益となるが、売上高、営業利益、経常利益は連続で過去最高を更新する。
高齢化社会の進展による循環器系領域の患者数の増加傾向は続き、販売数量の拡大が見込まれるほか、営業エリアの拡大や新商品の投入効果などにより、売上高は引き続き増収基調が続くものと予想される。
また円高メリットも享受することができるため、今後の為替動向には注目したいところ。


■今後の成長性

同社の今後の成長性の最大のポイントは「地方エリアでの市場シェア拡大余地」にある。
「不整脈事業」に関しては、現在大阪地区を中心に西日本エリアでの顧客開拓を進め、シェア拡大に注力しているところ。
また、4月には既存顧客の医療施設移転に伴って土浦出張所を新規開設したほか、5 月には名古屋営業所にも営業マンを配置した。
その他、宮崎県や沖縄県にも出張所を開設し、着実に拡大を進めている。
しかし、首都圏での不整脈事業の市場シェアは約40% と高いが、全国平均で見ると22% となっており、トップシェアとはいえ、まだまだ地方エリアでの市場シェアの拡大余地は大きいことから、今後の展開が期待される。
もちろん地方でのシェアを伸ばせると見込むことができる背景には、製品に関する技術サポートスキルの高い人材の育成に力を入れ、その成果が十分に出ていることがある。


また、仕入メーカーとの協力体制の強化も進めている。
技術情報の交換や新商品の技術習得のための教育研修など定期的に行うことで、人的ネットワークを強固なものとし、同社にとっては、新規顧客の紹介や仕入コストの低減といったメリットを享受し、またメーカーにとっては最大手の代理店である同社に自社の戦略商品の販売を増やしてもらうといったWin-Win の関係構築に取り組んでいる。


「虚血事業」では、商品パイプラインの拡充を進めるため、新商品の発掘を今まで以上に積極的に行っていくとしており、国内外の学会などへの参加を通じて、最新の医療技術などを吸収しながら、有望な商品・新技術の掘り起こしを進めていく。
対象となるのは、国内での市場性が見込まれ、競合製品がまだないもの、あるいは商品化すれば高シェアが期待できるものとなる。
また、有望な新技術を開発するスタートアップ企業への出資なども行っていく予定で、こちらも長期的な成長という観点からは、非常に重要な取り組みとなってくると思われる。


ラジオNIKKEI マーケットプレス
『フィスコ presents 注目企業分析』毎週月・木曜14:30~14:45放送



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