■要約
アイル (T:3854)は、中堅・中小企業を主たる顧客対象として、企業の経営力アップを支援するトータルシステムソリューション企業である。
顧客の抱える経営課題全般に対して、基幹システム構築、システムサポート保守、ネットワーク構築、人材教育、Webコンサルティング、ECサイト構築、複数ネットショップ一元管理ソフト、ポイント・顧客一元管理ソフトなど、人材採用・教育支援も含めた幅広い分野で、ITの有効活用が必要な中堅・中小企業の経営課題を解決するためのトータルシステムソリューションを展開している。
1. 強み・特徴
顧客に対する提案をより効果的に進めるとともに、強力なシナジー効果を生み出すため、「リアル」(システムソリューション事業)と「Web」(クラウド事業)の両面から、顧客ニーズに合わせた複合提案を行い、中堅・中小企業の経営力アップを支援する「CROSS-OVERシナジー」戦略を推進している。
同社の優位性・強み・特徴としては、1)独立系企業、2)中小企業市場への特化、3)業種特化型パッケージソフトウェアによる特化業種市場の深耕、4)自社製品・サービス比率の高さ、5)リアル・Web領域とも業界上位のポジション、6)トータルソリューションを実現する「商品生態系」戦略、7)高水準のコールセンター応答率などが挙げられる。
2. 2017年7月期第2四半期業績
2017年7月期第2四半期累計(8月−1月)の連結業績は、前年同期比9.8%増収、30.1%営業増益、33.2%経常増益、13.9%最終減益だった。
親会社株主に帰属する四半期純利益は前期計上の特別利益がはく落して減益だが、主力製品の売上げが順調に推移し、ストック型商材比率の上昇で売上総利益率が改善した。
人件費や研究開発費などの増加を吸収して、営業利益と経常利益は大幅増益だった。
3. 2017年7月期通期予想
2017年7月期通期の連結業績予想は、売上高が前期比14.0%増の9,000百万円、営業利益が同6.4%増の401百万円、経常利益が同9.1%増の428百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同9.8%増の272百万円としている。
システムソリューション事業、クラウド事業とも伸長する。
先行投資となる人件費や研究開発費などの増加を考慮して期初計画を据え置いているが、保守的な印象も強い。
ストック型商材伸長効果も寄与して通期会社予想に上振れ余地があるだろう。
4. 中期成長に期待
3ヶ年中期経営計画(2017年7月期−2019年7月期)では、2019年7月期の計画値として売上高10,400百万円、営業利益629百万円、経常利益657百万円、親会社株主に帰属する当期純利益413百万円を掲げている。
規模拡大と利益率改善で中期成長が期待される。
5. AIを活用したサービスの研究開発を開始
主力の基幹業務パッケージソフトウェア「アラジンオフィス・シリーズ」次世代版は2017年中リリース予定である。
また次世代クラウド研究開発用オフィスとして、2017年10月に松江研究開発拠点(仮称、島根県松江市)の開設を予定している。
さらに将来における市場競争力向上に向けた取り組みとして、業務システム分野においてAI(人工知能)を活用したデータ分析・業務自動化の研究開発活動を開始する。
6. 利益還元は配当性向30%を目安
利益還元は配当性向30%を目安としている。
2017年7月期の配当は前期と同額の年間18円予想だが、前期の記念配当を除く普通配当ベースでは増配となる。
また配当性向について前期と同一水準以上を目指したいとしているため、配当増額の可能性もありそうだ。
■Key Points
・中堅・中小企業向けにトータルシステムソリューションを展開
・「リアル」と「Web」の両面で複合提案する「CROSS-OVERシナジー」戦略
・2017年7月期通期業績は増収増益予想で上振れ余地あり
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)
アイル (T:3854)は、中堅・中小企業を主たる顧客対象として、企業の経営力アップを支援するトータルシステムソリューション企業である。
顧客の抱える経営課題全般に対して、基幹システム構築、システムサポート保守、ネットワーク構築、人材教育、Webコンサルティング、ECサイト構築、複数ネットショップ一元管理ソフト、ポイント・顧客一元管理ソフトなど、人材採用・教育支援も含めた幅広い分野で、ITの有効活用が必要な中堅・中小企業の経営課題を解決するためのトータルシステムソリューションを展開している。
1. 強み・特徴
顧客に対する提案をより効果的に進めるとともに、強力なシナジー効果を生み出すため、「リアル」(システムソリューション事業)と「Web」(クラウド事業)の両面から、顧客ニーズに合わせた複合提案を行い、中堅・中小企業の経営力アップを支援する「CROSS-OVERシナジー」戦略を推進している。
同社の優位性・強み・特徴としては、1)独立系企業、2)中小企業市場への特化、3)業種特化型パッケージソフトウェアによる特化業種市場の深耕、4)自社製品・サービス比率の高さ、5)リアル・Web領域とも業界上位のポジション、6)トータルソリューションを実現する「商品生態系」戦略、7)高水準のコールセンター応答率などが挙げられる。
2. 2017年7月期第2四半期業績
2017年7月期第2四半期累計(8月−1月)の連結業績は、前年同期比9.8%増収、30.1%営業増益、33.2%経常増益、13.9%最終減益だった。
親会社株主に帰属する四半期純利益は前期計上の特別利益がはく落して減益だが、主力製品の売上げが順調に推移し、ストック型商材比率の上昇で売上総利益率が改善した。
人件費や研究開発費などの増加を吸収して、営業利益と経常利益は大幅増益だった。
3. 2017年7月期通期予想
2017年7月期通期の連結業績予想は、売上高が前期比14.0%増の9,000百万円、営業利益が同6.4%増の401百万円、経常利益が同9.1%増の428百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同9.8%増の272百万円としている。
システムソリューション事業、クラウド事業とも伸長する。
先行投資となる人件費や研究開発費などの増加を考慮して期初計画を据え置いているが、保守的な印象も強い。
ストック型商材伸長効果も寄与して通期会社予想に上振れ余地があるだろう。
4. 中期成長に期待
3ヶ年中期経営計画(2017年7月期−2019年7月期)では、2019年7月期の計画値として売上高10,400百万円、営業利益629百万円、経常利益657百万円、親会社株主に帰属する当期純利益413百万円を掲げている。
規模拡大と利益率改善で中期成長が期待される。
5. AIを活用したサービスの研究開発を開始
主力の基幹業務パッケージソフトウェア「アラジンオフィス・シリーズ」次世代版は2017年中リリース予定である。
また次世代クラウド研究開発用オフィスとして、2017年10月に松江研究開発拠点(仮称、島根県松江市)の開設を予定している。
さらに将来における市場競争力向上に向けた取り組みとして、業務システム分野においてAI(人工知能)を活用したデータ分析・業務自動化の研究開発活動を開始する。
6. 利益還元は配当性向30%を目安
利益還元は配当性向30%を目安としている。
2017年7月期の配当は前期と同額の年間18円予想だが、前期の記念配当を除く普通配当ベースでは増配となる。
また配当性向について前期と同一水準以上を目指したいとしているため、配当増額の可能性もありそうだ。
■Key Points
・中堅・中小企業向けにトータルシステムソリューションを展開
・「リアル」と「Web」の両面で複合提案する「CROSS-OVERシナジー」戦略
・2017年7月期通期業績は増収増益予想で上振れ余地あり
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)