[東京 29日 ロイター] - 半導体大手ルネサスエレクトロニクスは29日、21年1─9月期の売上高が6615億5300万円から上下に40億円程度振れた範囲になるとの見通しを発表した。自動車向けを中心に7─9月期も堅調に推移すると見込み、前年同期に比べて26%増える計画だ。
7─9月期のみの売上高予想は、前年比34%増の2400億円から上下に40億円振れた範囲。自動車関連の拡大が続くほか、FA(ファクトリーオートメーション)機器向け、データセンターや携帯電話基地局向けなどでも、顧客の需要は強いという。
半導体業界は事業環境が短期間に大きく変化する特徴があり、信頼性の高い数値を的確に算出することが困難だとして、同社は通期の業績見通しを開示していない。
同時に発表した1─6月期売上高は4216億円、営業利益が657億円だった。4月に発表した同期間の売上高予想は4077億円から上下に40億円程度振れる可能性があるとしていた。
IBESがまとめたアナリスト15人の通期営業利益予想の平均値は1241億円。
会見した柴田英利社長の主な発言は以下の通り。
*いくつかの製造装置にトラブル発生、足元の出荷水準は火災前の9割程度
*トラブルは定常的な問題、8月中旬には出荷水準が火災前を超える見通し
*生産水準はこの1週間、経常的な能力対比で3割超上回っている
*半導体不足は来年上半期のどこかで改善するのでは、年内はタイトな状況続く
*原材料調達のボトルネック警戒していたが、調達のマルチ化などでリスクやや緩和
*需要は引き続き強い、前回決算発表時よりもう少し強含んでいる