[25日 ロイター] -
<為替> 不安定な値動きとなる中、主要通貨に対するドル指数が小幅安。ユーロは安定的に推移した。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が26日に行う経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)での講演で、利上げペースについて一段の手がかりを示すか注目されている。
FRB当局者は25日、9月のFOMCでの利上げ幅について、0.50%ポイント、もしくは0.75%ポイントとするかまだ判断に至っていない考えを相次いで示した。同時に、インフレが制御されるまで利上げを続け、高水準の金利を当面維持するコミットメントを改めて示した。
フェデラルファンド(FF)金利先物市場が織り込む、9月の0.75%ポイント利上げの確率は65%、50bp利上げは35%となっている。
ドル指数は0.14%安の108.46。依然として、7月14日に付けた20年ぶりの高値109.29を若干下回る水準を維持している。
朝方発表された第2・四半期の実質国内総生産(GDP)改定値が年率換算で前期比0.6%減と、速報値の0.9%減から上方改定されたことを受け、ドルは一時上昇する場面もあった。
ユーロは横ばいの0.9968ドル。独IFO経済研究所が発表した8月の業況指数が2020年6月以来の低水準となったことは、重しとなった。
豪ドルは1.01%高の0.6976米ドル。中国国務院(内閣に相当)がインフラ事業への資金援助や民間企業およびハイテク企業への支援強化など追加の経済支援措置を講じるという報道が引き続き材料視された。
円は対ドルで0.47%安の136.47円。日銀の中村豊明審議委員は25日、冬季賞与や来年度の賃上げを見極めるまで、政策金利のフォワードガイダンス(先行きの指針)を変更する展開にはならないと述べた。
ドルは人民元に対し0.15%安の1ドル=6.8477元。中国人民銀行(中央銀行)が発表した元の対ドル基準値(中間値)が予想よりも元高だったことが背景。
NY外為市場:[USD/J]
<債券> 米債利回りが序盤に数週間ぶりの高水準を付けた後、下げに転じた。ジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長の講演を控える中、投資家がポジションを調整した。
米セントルイス地区連銀のブラード総裁は25日、ワイオミング州ジャクソンホールでCNBCのインタビューに応じ、政策金利を現在の2.25─2.50%から年末までに3.75%─4.00%に引き上げたいとの認識を改めて示した。その上で、こうした「前倒し」での利上げを支持するのは「インフレ対策に真剣であるためだ」と説明した。
フェデラル・ファンド(FF)金利先物市場が織り込む、FRBが9月に0.75%ポイントの利上げを決定する確率は65%と2日前の45%から上昇。FF金利は現行の2.33%から年末までに3.64%に達するとみられている。
財務省が実施した370億ドルの7年債入札の結果も債券の買い戻しにつながり、利回りを低下させた。
最高落札利回りは3.13%と、入札締め切り時の想定利回りを下回った。応札倍率は2.65倍と、過去2回の7年債入札時の数値を上回った。
指標10年債利回りは6.3ベーシスポイント(bp)低下の3.0444%。
米商務省が25日発表した2022年第2・四半期のGDP改定値は年率換算で前期比0.6%減と、速報値の0.9%減から上方改定されたことを受け、10年債利回りは一時上昇した。
30年債利回りは7.9bp低下の3.2415%。
2・10年債の利回り格差はマイナス32.9bp。
2年債利回りは1.4bp低下の3.3722%だった。
物価連動国債(TIPS)と通常の国債の利回り差で、期待インフレを示すブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は、5年物は一時2.9715%と6月中旬以来の高水準を付けた。
ドル建て5年先5年物インフレスワップも2.7205%と6月中旬以来の高水準となった。
米金融・債券市場:[US/BJ]
<株式> 半導体大手のエヌビディアなどのハイテク株に買いが入り、ナスダック総合が急伸して終了した。市場ではパウエルFRB議長が26日にジャクソンホール会議で行う講演が注目されている。
投資家はパウエル議長の講演で、FRBがインフレ抑制に向けてどこまで積極的に利上げを行うか手掛かりを探る見込み。
この日は最近上昇していた米10年国債利回りが低下。「金利低下がグロースセクターの一部を下支えした」との見方もある。
エヌビディアは4%高。前日に示した四半期業績が予想を下回ったが、市場では売上高低迷が最悪期を脱する可能性があるとの見方が浮上。これを受けてフィラデルフィア半導体指数が上昇した。
アップルとマイクロソフトが1%超、アマゾン・ドット・コムとアルファベットが2%超、それぞれ上昇し、ナスダックを押し上げた。
S&P総合500種の全11セクターが上昇。素材や通信サービスが特に好調だった。
25日付で1対3の株式分割を実施したテスラは0.35%安で引けた。
シティグループは2.1%高。今四半期からロシアの消費者および商業銀行向け事業を閉鎖すると発表した。
顧客管理ソフト大手のセールスフォースは3.4%下落。ドル高の影響や顧客の慎重な支出を踏まえ、通期の売上高見通しを下方修正した。
半導体銘柄はアドバンスト・マイクロ ・デバイセズ(AMD)が4.8%高、ブロードコムが3.6%高となった。
米国株式市場:[.NJP]
<金先物> 対ユーロでのドル安などを手掛かりに3日続伸した。中心限月12月物の清算値(終 値に相当)は前日比9.90ドル(0.56%)高の1オンス=1771.40ドルだった。
この日の外国為替市場では対ユーロでドルが下落。ドル建て商品である金の割安感が高まり、買いが入った。米長期金利の低下も金利を生まない資産である金相場の支えとなった。
NY貴金属:[GOL/XJ]
<米原油先物> 需給の緩みに対する警戒感から3営業日ぶりに反落した。米国産標準油種WTIの中心限月10月物の清算値(終値に相当)は、前日比2.37ドル(2.50%)安の1バレル=92.52ドル。11月物は2.21ドル安の92.19ドルだった。
朝方は買いが先行。サウジアラビアのアブドルアジズ・エネルギー相が原油安への対策として、石油輸出国機構(OPEC)による減産の可能性に言及したとする週初の報道に加え、米エネルギー情報局(EIA)が前日発表した週報で原油在庫の大幅な取り崩しが確認されたことを手掛かりに、相場は一時95.76ドルの高値を付けた。
しかし、その後に流れは反転。翌26日のパウエルFRB議長の講演待ちで次第に神経質なムードが広がり、売りが優勢となった。イラン核合意再建に向けた交渉で、米政府がイラン側の文書回答に対する意見を返したと発表したことを受け、イラン産石油の輸出再開を巡る思惑も重なり、相場は取引終盤に一段と下げ幅を拡大した。
NYMEXエネルギー:[CR/USJ]
ドル/円 NY終値 136.50/136.53
始値 136.53
高値 136.95
安値 136.33
ユーロ/ドル NY終値 0.9974/0.9975
始値 0.9979
高値 1.0000
安値 0.9950
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 95*13.00 3.2407%
前営業日終値 93*30.50 3.3200%
10年債(指標銘柄) 17時05分 97*19.00 3.0314%
前営業日終値 96*31.00 3.1060%
5年債(指標銘柄) 17時05分 99*27.00 3.1590%
前営業日終値 99*20.00 3.2070%
2年債(指標銘柄) 17時05分 99*24.38 3.3742%
前営業日終値 99*23.63 3.3860%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 33291.78 +322.55 +0.98
前営業日終値 32969.23
ナスダック総合 12639.27 +207.74 +1.67
前営業日終値 12431.53
S&P総合500種 4199.12 +58.35 +1.41
前営業日終値 4140.77
COMEX金 12月限 1771.4 +9.9
前営業日終値 1761.5
COMEX銀 9月限 1912.0 +21.3
前営業日終値 1890.7
北海ブレント 10月限 99.34 ‐1.88
前営業日終値 101.22
米WTI先物 10月限 92.52 ‐2.37
前営業日終値 94.89
CRB商品指数 296.7474 ‐2.1169
前営業日終値 298.8643