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北恵 Research Memo(4):住宅市場全般が底堅く推移したことから足元の業績は好調

発行済 2018-03-22 15:34
更新済 2018-03-22 16:33
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■業績動向

● 2017年11月期の業績概要
(1) 損益状況

北恵 (T:9872)の2017年11月期(2016年12月-2017年11月)の業績は、売上高が前期比9.6%増の55,704百万円、営業利益が同23.3%増の780百万円、経常利益が同20.9%増の888百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同29.6%増の542百万円となった。
住宅市場全般が堅調に推移したことに加え、以前から注力している施工付販売などが好調に推移したことから前期比で増益となったが、計画に対しても上回っており好調な決算であったと言える。


売上総利益率は前期比0.2ポイント減の9.5%とわずかながら低下したが、主な要因は、一部の商品で価格競争が激化していることなどから、仕入コストが上昇した分を完全に吸収しきれなかったことによる。
特に大手ハウスビルダーとの契約は通年の場合が多く、期中の原価アップを即座に販売価格へ転嫁するのは難しい。
しかし時間の経過とともに原価の上昇分は徐々に販売価格に反映されるケースもあり、さらに最近では為替が再び円高方向に向かっていることなどを考えれば、今後、売上総利益率が改善する可能性はありそうだ。


一方、販管費は人件費やその他経費の抑制に努めたことから金額では225百万円増となり対売上高比率は8.1%(前期8.5%)へ低下した。
この販管費の増加の内訳は、人件費が54百万円、人材派遣料50百万円、変動費(運賃等)70百万円、外形標準課税29百万円であった。


結果、営業利益率は前期比で0.2ポイント改善し1.4%となり、増収による効果もあって営業利益は前期比23.3%増となった。
前述の外形標準課税分を考慮すれば、実質の増益率はさらに高かったことになる。
営業利益が増益となったことから経常利益は20.9%、親会社株主に帰属する当期純利益は29.6%の増益となった。


(2) 商品別状況
木質建材の売上高は6,817百万円(前期比12.7%増)となった。
特に階段や収納関連が堅調であったが、近畿地区ではリフォーム向けに内装材の需要が強かった。
また一部商品が施工付販売へシフトしているため、実質的にはもっと高い伸びであったと言える。
非木質建材の売上高は3,801百万円(同9.1%増)となったが、特にサイディングなどの外壁材が好調であった。


合板の売上高は2,279百万円(同6.9%増)となったが、DIY向けのコンパネ類や針葉樹製品が好調であった。
木材製品の売上高は2,423百万円(同10.6%増)となったが、主にプレカットの構造材が堅調に推移した。
また中小工務店向けに基礎部分から上で使用する木材製品をプレカットして一括供給する体制を強化したことにより、一括発注が増加したことも増収の要因だ。


住宅設備機器は13,598百万円(同9.0%増)となったが、特に水まわり製品(キッチン、バス、トイレ、洗面台など)が好調であった。
近畿ではリフォーム向けが堅調であり、関東では飯田グループホールディングス (T:3291)向けが好調であった。
施工付販売は22,755百万円(同9.3%増)と堅調に推移したが、通常の外壁工事に加えて水まわり関係の工事が良かった。
その他商品の売上高も4,028百万円(同9.7%増)と堅調であった。
同社が独自に企画・開発したオリジナル商品(主に木質、非木質、住宅設備に含まれる)の売上高は1,809百万円(同4.1%増)となったが、新たに市場投入した新製品が比較的好調であった。


(3) 地域別状況
地域別売上高は、近畿18,743百万円(同6.8%増)、九州・中四国8,558百万円(同13.9%増)、中部5,402百万円(同13.6%増)、東日本22,999百万円(同9.4%増)であった。
このうち首都圏の売上高は19,217百万円(同10.1%増)であり、構成比は34.5%となり、前期の34.3%から上昇した。


注力中の施工付販売もすべての地域で増収を達成したが、特に九州地区が予想以上に好調であった。
これは、熊本地震の復興需要を狙ってローカルの工務店向けに積極的な営業を行ってきた効果が出てきたことによる。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

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