[ワシントン 6日 ロイター] - 米商務省が米半導体製造装置企業向けに今週発表を計画している中国半導体企業への製造装置輸出制限で、中国企業に輸出するライセンス付与は厳格に抑制される一方、中国で半導体を生産する韓国などの外国企業への輸出の場合は、「ケースバイケース」でライセンスが審査されることになる。消息筋が明らかにした。
韓国のサムスン電子やSKハイニックスなどが最悪の事態を免れる可能性が出てきた。
ロイターはこれまでに、米政権が中国の半導体産業の台頭を阻み、米国の半導体企業や安全保障を守るため、中国で活動する半導体企業には米国の半導体製造装置の輸出を制限することを検討していると報じてきた。
しかし、消息筋の1人によると、米政権の狙いは「非中国企業を損なうことではない」。長江メモリー・テクノロジー(YMTC)や長鑫存儲技術(CXMT)などの中国企業による一定以上の高性能のDRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)やデータ保存などのNAND型フラッシュメモリーの製造向けの場合は、米国の半導体製造装置の輸出申請は事実上通らない可能性が高いという。
一方で、「中国拠点の企業」が「一定の性能以下」と見なされるDRAMやNANDを生産するのであれば、そうした企業向けの米半導体製造装置輸出に同省からの認可ライセンスはそもそも必要なくなるという。
韓国の大手半導体企業は、米政権の動きによって自分たちの中国拠点の半導体製造事業が困難になる最悪の事態を懸念していた。ただ、ケースバイケースの審査基準でも、自社の中国工場に米半導体製造装置を輸出する明示的なゴーサインには程遠い。基準が明確でないため、輸出品次第で米規制当局と承認でもめる可能性があることは引き続き懸念されている。