■業績動向
(1) 2015年4月期業績概要
6月12日付けで発表されたフルスピード {{|0:}}の2015年4月期の連結業績は、売上高が前期比5.4%増の11,920百万円、営業利益が同5.6%減の569百万円、経常利益が同7.6%減の533百万円、当期純利益が同23.7%増の444百万円となった。
売上高はアフィリエイト・サービスを中心としたアドネットワーク事業が前期比17.1%増と好調に推移したことで前期比5.4%増と増収となったほか、売上総利益も同6.1%増と堅調に推移した。
一方で、注力事業であるDSPの開発投資を前倒ししたことや、販促活動の強化を主因として、販管費が前期比10.9%増したことが、営業利益の減益要因となった。
販管費は前期比で160百万円増加したが、内訳は人件費で80~90百万円、貸倒引当金繰入額の増加で26百万円、広告費・リーガル費用で50百万円となっている。
なお、当期純利益については前期に特別費用118百万円計上したのに対して、当期は投資有価証券売却益を計上したことで増益となっている。
期初会社計画比で見ると売上高、利益ともに未達となった。
売上高は、注力事業であるDSPの開発投資を前倒ししたことにより本格的営業展開が遅れたことにより販売契約件数が計画を下回ったことが主因であり、また、それに連動するかたちで利益ベースでも未達となった。
ただ、四半期ベースの業績推移を見ると第3四半期以降は前年同期比で増益に転じており、同社がここ1~2年で進めてきた収益構造転換は順調に進み、再成長に向けた事業体制は整ってきたと言えよう。
(2)事業セグメント別動向 ○インターネット広告代理店事業 インターネット広告代理店事業の売上高は前期比0.3%減の7,371百万円、セグメント利益が同1.5%減の320百万円となった。
売上高の内訳を見ると、アフィリエイト広告販売が美容・エステ、金融業界向けを中心に前期比26.3%増の2,034百万円と好調に推移した一方で、リスティング広告が同7.1%減の4,198百万円、SEM広告ソリューションが同16.9%減の887百万円と低迷した。
従来の収益柱であったSEM広告ソリューションにおいては、Googleのガイドラインに準拠する内部施策型SEO※やコンサルティング型サービスへと事業構造の転換を進めたことにより、減収傾向が底を打ち、第2四半期以降は顧客数の増加とともに売上高も緩やかながら堅調に推移した。
※内部施策型SEO;自社サイト内のページ数やタイトルタグ、文章量、キーワードバランス、テーマなどを検索エンジンのアルゴリズムに合わせて最適化していくことで、検索結果上位に表示する施策のこと。
外部施策型と比べると手間がかかるものの、検索アルゴリズム変更の影響を受けにくいとされている。
○アドネットワーク事業 アドネットワーク事業の売上高は前期比17.7%増の6,308百万円、セグメント利益は同5.4%増の687百万円と増収増益となった。
売上高の95%前後を占めるASP事業が前期比15%増と好調に推移したことが主因だ。
ASP事業ではスマートフォンやタブレット向けの展開を積極的に進めたことで、パートナー数が前期比16.6%増、取扱いプロモーション数が同41.1%増と大幅に拡大し、売上高の伸びにつながった。
特に同社のアフィリエイト・サービスは「担当者の対応の良さ(速さ、丁寧さ)」において、パートナーから非常に高い評価を受けていることも好調の要因になっているものとみられる。
また、注力分野であるディスプレイ広告事業では、主力となるDSPサービスにおいて、他社との差別化を図るため機能の追加開発を前倒しで実施するなど、競争力強化に向けた取り組みを実施した。
具体的には、ターゲティング広告配信機能において、天候や地域、オフィスなど顧客の場所の属性を細分化して配信する機能を開発したほか、国内では業界初となる3PASサービスとの連携を行うことで、広告費用配分の最適化を実現した。
セグメント利益率が前期の12.2%から10.9%へ低下したが、DSPの開発強化による費用増が要因となっている。
同社ではDSPや3PASのほか、ソーシャル・メディア分析、リスティング自動入札、電話効果測定、SEO分析、レコメンド配信といった7つの「AdMatrix®」シリーズを開発し、サービスの開始から2年ほどで累計の利用アカウント数は、中小企業を中心として22,000件(無料アカウント含む)に達した。
当初の計画は下回ってはいるものの、順調に拡大していると言えよう。
顧客は主に中小企業であり、売上高としてはまだ年間数億円程度と小さいことから、セグメント利益ベースでは若干の赤字となっているが、2016年4月期以降は有料顧客数の拡大により、黒字転換が見込まれている。
○その他事業 その他事業の売上高は前期比43.6%減の55百万円、セグメント利益は同228.0%増の18百万円となった。
売上高、利益とも規模が小さいため、詳細は省略する。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
売上高はアフィリエイト・サービスを中心としたアドネットワーク事業が前期比17.1%増と好調に推移したことで前期比5.4%増と増収となったほか、売上総利益も同6.1%増と堅調に推移した。
一方で、注力事業であるDSPの開発投資を前倒ししたことや、販促活動の強化を主因として、販管費が前期比10.9%増したことが、営業利益の減益要因となった。
販管費は前期比で160百万円増加したが、内訳は人件費で80~90百万円、貸倒引当金繰入額の増加で26百万円、広告費・リーガル費用で50百万円となっている。
なお、当期純利益については前期に特別費用118百万円計上したのに対して、当期は投資有価証券売却益を計上したことで増益となっている。
期初会社計画比で見ると売上高、利益ともに未達となった。
売上高は、注力事業であるDSPの開発投資を前倒ししたことにより本格的営業展開が遅れたことにより販売契約件数が計画を下回ったことが主因であり、また、それに連動するかたちで利益ベースでも未達となった。
ただ、四半期ベースの業績推移を見ると第3四半期以降は前年同期比で増益に転じており、同社がここ1~2年で進めてきた収益構造転換は順調に進み、再成長に向けた事業体制は整ってきたと言えよう。
(2)事業セグメント別動向 ○インターネット広告代理店事業 インターネット広告代理店事業の売上高は前期比0.3%減の7,371百万円、セグメント利益が同1.5%減の320百万円となった。
売上高の内訳を見ると、アフィリエイト広告販売が美容・エステ、金融業界向けを中心に前期比26.3%増の2,034百万円と好調に推移した一方で、リスティング広告が同7.1%減の4,198百万円、SEM広告ソリューションが同16.9%減の887百万円と低迷した。
従来の収益柱であったSEM広告ソリューションにおいては、Googleのガイドラインに準拠する内部施策型SEO※やコンサルティング型サービスへと事業構造の転換を進めたことにより、減収傾向が底を打ち、第2四半期以降は顧客数の増加とともに売上高も緩やかながら堅調に推移した。
※内部施策型SEO;自社サイト内のページ数やタイトルタグ、文章量、キーワードバランス、テーマなどを検索エンジンのアルゴリズムに合わせて最適化していくことで、検索結果上位に表示する施策のこと。
外部施策型と比べると手間がかかるものの、検索アルゴリズム変更の影響を受けにくいとされている。
○アドネットワーク事業 アドネットワーク事業の売上高は前期比17.7%増の6,308百万円、セグメント利益は同5.4%増の687百万円と増収増益となった。
売上高の95%前後を占めるASP事業が前期比15%増と好調に推移したことが主因だ。
ASP事業ではスマートフォンやタブレット向けの展開を積極的に進めたことで、パートナー数が前期比16.6%増、取扱いプロモーション数が同41.1%増と大幅に拡大し、売上高の伸びにつながった。
特に同社のアフィリエイト・サービスは「担当者の対応の良さ(速さ、丁寧さ)」において、パートナーから非常に高い評価を受けていることも好調の要因になっているものとみられる。
また、注力分野であるディスプレイ広告事業では、主力となるDSPサービスにおいて、他社との差別化を図るため機能の追加開発を前倒しで実施するなど、競争力強化に向けた取り組みを実施した。
具体的には、ターゲティング広告配信機能において、天候や地域、オフィスなど顧客の場所の属性を細分化して配信する機能を開発したほか、国内では業界初となる3PASサービスとの連携を行うことで、広告費用配分の最適化を実現した。
セグメント利益率が前期の12.2%から10.9%へ低下したが、DSPの開発強化による費用増が要因となっている。
同社ではDSPや3PASのほか、ソーシャル・メディア分析、リスティング自動入札、電話効果測定、SEO分析、レコメンド配信といった7つの「AdMatrix®」シリーズを開発し、サービスの開始から2年ほどで累計の利用アカウント数は、中小企業を中心として22,000件(無料アカウント含む)に達した。
当初の計画は下回ってはいるものの、順調に拡大していると言えよう。
顧客は主に中小企業であり、売上高としてはまだ年間数億円程度と小さいことから、セグメント利益ベースでは若干の赤字となっているが、2016年4月期以降は有料顧客数の拡大により、黒字転換が見込まれている。
○その他事業 その他事業の売上高は前期比43.6%減の55百万円、セグメント利益は同228.0%増の18百万円となった。
売上高、利益とも規模が小さいため、詳細は省略する。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)