■中期経営計画
(1) 2015年3月期決算と前中期経営計画の振り返り
サンコーテクノ {{|0:}}は2011年3月期から2015年3月期までの5年間を対象とする中期経営計画「PLAN 2015」に取り組んできた。
スローガンを「チャレンジ35」とし、3つの改革と5つの施策に取り組んできた。
結果を総括すると、原価率削減幅5%という目標が3.3%の削減にとどまったことを以外は、目標をすべてクリアすることができた。
過去5年間、同社は国内外で生産設備を中心に投資を行ってきた。
具体的には、めっきラインやボンデ処理設備、PVCコーティング炉など、鋼材の表面処理設備や、レーザー加工機や新型メタルソー研磨機、NC旋盤など加工設備の導入だ。
あと施工アンカーの需要は建築物の蓄積が進んでいるため長期・安定的に増加していくことが期待されており、同社はその中でトップシェア企業である。
同社が行った投資は、業界トップ企業として王道とも言える、製品品質向上とコストダウンに資する類のものであった。
この5年間の累計投資額は1,427百万円(各年の有形固定資産取得支出の合計)に達したが、同期間の減価償却費合計1,261百万円に対しては166百万円の差でしかなく、ほぼ自己資金で賄うことができていたと言える。
(2)新中期経営ビジョン「S.T.G VISION 2020」 同社は2015年5月、新中期経営ビジョン「S.T.G VISION 2020」を発表した。
「私たちは独自の締結(ファスニング)システムで、安全・安心を提供するモノづくり集団を追究します」を理念に掲げ、チーム人財力、業務力、ブランド力を高めて成長・優良企業を目指すとしている。
中計期間全般の業績計画は公表されていないが、新中期経営計画における数値目標として、売上高成長率(年平均)5.0%以上、営業利益率8.0%以上、ROA8.0%以上をそれぞれ目指すことを掲げている。
具体的な施策としては、前中期経営計画同様に、自社の製品のブラッシュアップを地道に続けることが基本となりそうだ。
まずは組織体制をファスニング事業とそれ以外を集約した「機能材事業」とに分け、3事業部門体制から2事業部門体制に変更する。
そのうえで、ファスニング事業では土木、太陽光分野向けに拡販を図るほか、通常の建築用あと施工アンカーにおいても、現場ニーズに沿った新商材・新工法の開発に努める計画だ。
機能材事業では、新型機の投入(アルコールチェッカー)のほか、熱中症計など新商品の展開に注力する方針だ。
弊社が新中期経営計画において注目するポイントは、やはり主力のファスニング事業だ。
東京オリンピックを控えての再開発やリニューアル、そして日本全国の問題であるインフラ(道路、橋りょう、トンネル、その関連構造物など)の老朽化問題など、中長期的に建築、土木に対する新築・補修工事の需要は消えることはなく、むしろ増加基調をたどると想定される。
同社の市場シェアなどから考えて、建築向け需要については、自然体のまま臨んでも需要を十分取り込めると弊社では考えている。
一方、土木向け需要の取り込みには工夫が必要だろう。
あと施工アンカー自体に土木用・建築用の別はないが、現実には流通ルートの違いなどもあって、土木分野での使用量は圧倒的に少ない状況だ。
同社は、その対策も兼ねて他社との協業を進めながら土木分野での市場開拓に乗り出している。
実際の例では、JR東日本 (TOKYO:9020)と共同で開発した「一面耐震補強工法」や、「ゆるみ止めナット」で強みを持つ(株)富士精密と共同で新製品「メタルセーフアンカー」を開発し、認証を取得した例などがある。
また同社は、公益財団法人高速道路調査会主催の「ハイウェイテクノフェア2014」に出展し、「メタルセーフアンカー」など同社製品を高速道路工事などの土木分野において活用できることをアピールしている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
スローガンを「チャレンジ35」とし、3つの改革と5つの施策に取り組んできた。
結果を総括すると、原価率削減幅5%という目標が3.3%の削減にとどまったことを以外は、目標をすべてクリアすることができた。
過去5年間、同社は国内外で生産設備を中心に投資を行ってきた。
具体的には、めっきラインやボンデ処理設備、PVCコーティング炉など、鋼材の表面処理設備や、レーザー加工機や新型メタルソー研磨機、NC旋盤など加工設備の導入だ。
あと施工アンカーの需要は建築物の蓄積が進んでいるため長期・安定的に増加していくことが期待されており、同社はその中でトップシェア企業である。
同社が行った投資は、業界トップ企業として王道とも言える、製品品質向上とコストダウンに資する類のものであった。
この5年間の累計投資額は1,427百万円(各年の有形固定資産取得支出の合計)に達したが、同期間の減価償却費合計1,261百万円に対しては166百万円の差でしかなく、ほぼ自己資金で賄うことができていたと言える。
(2)新中期経営ビジョン「S.T.G VISION 2020」 同社は2015年5月、新中期経営ビジョン「S.T.G VISION 2020」を発表した。
「私たちは独自の締結(ファスニング)システムで、安全・安心を提供するモノづくり集団を追究します」を理念に掲げ、チーム人財力、業務力、ブランド力を高めて成長・優良企業を目指すとしている。
中計期間全般の業績計画は公表されていないが、新中期経営計画における数値目標として、売上高成長率(年平均)5.0%以上、営業利益率8.0%以上、ROA8.0%以上をそれぞれ目指すことを掲げている。
具体的な施策としては、前中期経営計画同様に、自社の製品のブラッシュアップを地道に続けることが基本となりそうだ。
まずは組織体制をファスニング事業とそれ以外を集約した「機能材事業」とに分け、3事業部門体制から2事業部門体制に変更する。
そのうえで、ファスニング事業では土木、太陽光分野向けに拡販を図るほか、通常の建築用あと施工アンカーにおいても、現場ニーズに沿った新商材・新工法の開発に努める計画だ。
機能材事業では、新型機の投入(アルコールチェッカー)のほか、熱中症計など新商品の展開に注力する方針だ。
弊社が新中期経営計画において注目するポイントは、やはり主力のファスニング事業だ。
東京オリンピックを控えての再開発やリニューアル、そして日本全国の問題であるインフラ(道路、橋りょう、トンネル、その関連構造物など)の老朽化問題など、中長期的に建築、土木に対する新築・補修工事の需要は消えることはなく、むしろ増加基調をたどると想定される。
同社の市場シェアなどから考えて、建築向け需要については、自然体のまま臨んでも需要を十分取り込めると弊社では考えている。
一方、土木向け需要の取り込みには工夫が必要だろう。
あと施工アンカー自体に土木用・建築用の別はないが、現実には流通ルートの違いなどもあって、土木分野での使用量は圧倒的に少ない状況だ。
同社は、その対策も兼ねて他社との協業を進めながら土木分野での市場開拓に乗り出している。
実際の例では、JR東日本 (TOKYO:9020)と共同で開発した「一面耐震補強工法」や、「ゆるみ止めナット」で強みを持つ(株)富士精密と共同で新製品「メタルセーフアンカー」を開発し、認証を取得した例などがある。
また同社は、公益財団法人高速道路調査会主催の「ハイウェイテクノフェア2014」に出展し、「メタルセーフアンカー」など同社製品を高速道路工事などの土木分野において活用できることをアピールしている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)