アゼアス<3161>(東証スタンダード)は、前日17日に3円高の626円と5営業日ぶりに反発し、昨年12月28日につけた直近安値607円からの底上げ幅を拡大させた。同社株は、昨年11月25日に今2023年4月期第2四半期(2022年5月~10月期、2Q)累計業績を下方修正したが、4月期通期業績は、感染拡大が続いている鳥インフルエンザ向けの防疫作業向けの個人用保護具の需要拡大が見込まれるとして期初予想を据え置いており、その鳥インフルエンザによるニワトリの殺処分が、過去最高となっていることから、売られ過ぎとして下値買いが再燃した。また新型コロナウイルス感染症でも、1日の死数者が過去最高となり重症患者用の病床ひっ迫も伝えられており、ここでも医療用防護服の需要拡大を期待し買い材料視されている。
■鳥インフルエンザ向け需要拡大で4月期通期業績は増収益転換
同社の今4月期2Q累計業績は、期初予想より売り上げが4億7900万円、営業利益が4300万円、経常利益が4700万円、純利益が1800万円それぞれ引き下げられ売り上げ40億7900万円(前年同期比9.2%減)、営業利益1億500万円(同28.4%減)、経常利益1億1600万円(同23.5%減)、純利益9600万円(同3.0%減)と連続の減収減益となった。新型コロナウイルス感染症対応の反動減で、個人用保護具全体の需給の緩和が続いており、ヘルスケア製品事業で設備を増強して開始した日本製マスクの生産が、中国のロックダウンで資材調達が停滞して一時的に中断し、本格的な稼働に取り組んだあとも生産の歩留まり改善がなお途上にあることなどが響いた。
ただ今4月期通期業績は、鳥インフルエンザの感染拡大で防疫保護具の需要が増加していることから期初予想を据え置いた。売り上げ104億1400万円(前期比9.1%増)、営業利益5億6900万円(同46.9%増)、経常利益6億円(同45.0%増)、純利益4億2300万円(同59.0%増)と増収増益転換を見込んでいるもので、配当も年間22円(前期実績20円)へ増配転換を予定している。鳥インフルエンザは、ニワトリの殺処分が今年1月10日に1000万羽を超えるなど過去最悪で推移し、新型コロナウイルス感染症も、死者が過去最高となるなど第8波が深刻化しており、この動向次第では前々期、前期並みの期中の上方修正の可能性も出てくる。
■25日線を上抜き低PER・PBR修正で昨年来高値目指す
株価は、今期業績の増収増益・増配転換予想に新型コロナウイルス感染症の第7波関連株人気が続いて昨年来高値800円まで買い進まれ、第7波収束と今期2Q累計業績の下方修正が響いて607円まで大幅調整し、足元では底上げから上値抵抗線となっている25日移動平均線のブレークを窺っている。投資採算的にもPER8.3倍、PBRは0.56倍、年間配当利回りは3.51%と売られ過ぎを示唆しており、25日線を上抜き昨年来高値奪回を目指そう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)