[東京 19日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日のニューヨーク市場終盤(128.22/24円)から上昇し、128.60/62円で推移している。朝方の調整は短時間で一巡し、時間外取引の米長期金利の上昇や、クロス円を中心としたリスク回避の巻き戻しによる円売り圧力で、ドルは一時128.94円まで上昇した。その後は利益確定売りに押されたものの、128円後半で底堅く推移している。
ドルは海外時間の128円前半から、朝方にかけて一時127.90円まで下落した。前日の米株式市場が大きく下落したことに加えて、ドルは年初から急ピッチで上昇していたこともあり「短期的な調整がはいった」(国内証券)という。
売りが一巡すると、仲値に向けて実需によるドル買いフローや、売られ過ぎた反動で押し目買い入った。日経平均株価が下げ幅を縮小し、リスク回避の円買いを巻き戻すような動きもみられた。
ただ、さらに上値を伸ばすまでには至らず、底堅さを維持しつつも128円後半での推移が続いた。市場では「地合いが不安定でポジションを一方向に傾けづらく、早めの利益確定売りの動きにつながりやすい」(ニッセイ基礎研究所の経済研究部上席エコノミスト、上野剛志氏)と、再び調整が入る可能性を指摘する声も出ている。
ドルの上昇の要因として、イエレン米財務長官の発言を挙げる声もある。クレディ・アグリコル銀行の外国為替部長、斎藤裕司氏は、米国は中国の関税を引き下げてまでインフレ抑制に向けて対策を進めており、イエレン財務長官が最近のドル高について米国は市場で決定される為替レートにコミットしていると言明したことは「現状を追認したとみられ、ドル買いを容認したと解釈できる」と指摘する。
今後のドル/円相場について斉藤氏は、米金融政策のタカ派化を市場はすでに織り込んでいることから「ドルの上昇に歯止めがかかる可能性がある」とみる。世界的な経済失速がテーマになりつつあり、物価指標だけではなく景況感などの経済指標にも市場の関心が集まりやすいという。
ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円
午後3時現在 128.60/62 1.0484/88 134.84/88
午前9時現在 127.92/94 1.0471/75 133.96/00
NY午後5時 128.22/24 1.0466/70 134.12/16