[20日 ロイター] - 中国カンシノ・バイオロジクス(康希諾生物) (HK:6185)と人民解放軍の軍事科学院が共同開発している新型コロナウイルスのワクチンについて、研究者は医学誌ランセットに掲載された論文で、中期治験で安全性と免疫効果が確認されたと発表した。
カンシノが共同開発しているワクチン候補「Ad5─nCOV」は、アデノウイルスをベクター(遺伝子の運び手)として利用するもので、大規模な後期治験はまだ開始されていないものの、人民解放軍内での使用が承認されている。
研究者らはランセットに掲載された論文で、大規模治験実施を裏付けるデータが中期治験で得られたとした。ただ、接種を受けた人が以前の感染でアデノウイルスに対する高度な免疫を保有している場合、Ad5─nCOVの効果は減免する可能性があるとしている。
同論文は専門家によるピアレビュー(査読)を受けたもの。英製薬大手アストラゼネカ (L:AZN)と英オックスフォード大学が共同で開発しているワクチンもアデノウイルスをベクターとして利用している。
リフィニティブによると、カンシノの筆頭株主は米製薬大手イーライリリー (N:LLY)が関与するリリー・アジア・ベンチャーズ。