[12日 ロイター] - 英製薬大手アストラゼネカ (L:AZN)は12日、抗がん剤「カルケンス」を新型コロナウイルス感染症治療に用いる中期臨床試験で、入院患者の生存率向上と肺機能低下防止の目標を達成できなかったと発表した。
同社は結果について「期待外れだった」と表明。ただオックスフォード大学との新型コロナウイルス用ワクチン開発や、新型コロナ向け抗体薬の治験には影響しないと強調した。
カルケンスは、人体の過剰免疫反応を抑制する「BTK阻害剤」と呼ばれる種類の薬で、本来は慢性リンパ性白血病の治療に用いられる。肺炎など重篤な肺疾患を抱える新型コロナ患者はこの過剰免疫反応に苦しんでいると考えられており、アストラゼネカが行った試験はカルケンスにそうした面で効果があるかどうかを知る狙いがあった。