[シドニー 13日 ロイター] - オーストラリアのハント保健相は13日、クイーンズランド大学と製薬会社CSL (AX:CSL)が開発を手掛ける新型コロナウイルスのワクチン候補について、初期の臨床試験(治験)で安全性が示され、抗体反応が確認されたと発表した。
新型コロナの感染拡大が続く中、製薬各社は有効な治療法の開発レースを繰り広げている。
ワクチン候補には米ファイザー (N:PFE)が開発するものなどを含めて複数あり、英アストラゼネカ (L:AZN)も近く、後期治験の結果を発表するとみられている。
ファイザーは今週、初期の治験で、感染を防ぐ有効率が90%を超えたと発表した。
ハント保健相は、クイーンズランド州で記者団に対し「ワクチンはフェーズ1の治験で安全性が確認された。ポジティブな抗体反応も示されている」と説明。
また、「とりわけ高齢者に効果を示しており、非常に重要な結果だ」と指摘した。
同ワクチンについて、後期の治験が開始される予定で、良い結果が得られれば、2021年第3・四半期までに配布の用意が整う可能性があるとした。
オーストラリアは、クイーンズランド大学が開発したワクチン候補を5100万回分購入することですでに合意している。アストラゼネカのワクチン候補も、後期治験がうまくいけば購入する予定だ。