[シンガポール 11日 ロイター] - アジア時間午前の原油先物は続落。ドル高と中国での新型コロナウイルス感染再拡大を受け、世界の燃料需要の減退懸念が高まったため、約2%下落した前日から下げ幅を拡大している。
0031GMT(日本時間午前9時31分)までに、北海ブレント先物は0.57ドル(0.6%)安の1バレル=95.62ドル。前日には1.73ドル下げていた。
米WTI先物は0.55ドル(0.6%)安の90.58ドル。前日は1.51ドル下げていた。
ANZリサーチのアナリストはメモで、力強い雇用統計は、米連邦準備理事会(FRB)による来月の75ベーシスポイント追加利上げ観測を後押しし、世界の石油需要に下振れリスクを残していると指摘。また、共産党大会を控えた中国でのゼロコロナ政策の継続は「需要の助けにはならない」とした。
世界2位の石油消費国である中国では新規コロナ感染者が8月以来の高水準に増加。 内モンゴル自治区では10月に入ってから、感染力の強いオミクロン株亜系統BF.7への数千人の感染が報告されている。
一方、石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」が先週、11月から日量200万バレルの減産実施で合意したことが原油相場を下支えしている。
CMCマーケッツのアナリスト、ティナ・テン氏は、特に欧州連合(EU)が年末に向けてロシア産原油の輸入を禁止した場合、供給問題は残ると述べた。