[フランクフルト 2日 ロイター] - ドイツの医薬・化学品大手メルクは2日、2023年の利益が減少するとの見通しを示した。
電子化学部門の業績低迷に加え、医薬品・ワクチンメーカーの間で新型コロナウイルス関連の実験用品の需要が落ち込んでいるという。
23年の利払い・税・償却前利益(EBITDA、一時項目調整後)は、為替変動の影響を除くベースで「緩やかに減少し、ほぼ安定的な発展になる」見通し。
為替差損が追加で1─4%の下押し要因になる可能性が高いとしている。
同社は「全体として23年は厳しい年になると想定している。半導体市場の鈍化、新型コロナ関連の需要減少、根強い高インフレが原因になる見通しだ」と表明した。
新型コロナ関連の実験用品の売上高は昨年の8億ユーロから2億5000万ユーロに減少する見通し。
25年までに売上高を250億ユーロ(266億ドル)にする目標は据え置いた。昨年の実績は222億ユーロ。新製品の開発と多角経営が寄与するという。
22年第4・四半期の調整後EBITDAは11%増の16億3000万ユーロ。同社のウェブサイトに掲載されている市場予想は16億9000万ユーロだった。