[16日 ロイター] - 米食品医薬品局(FDA)の外部の専門家からなる諮問委員会は16日、米製薬大手ファイザーの新型コロナウイルス感染症の経口抗ウイルス薬「パクスロビド」について、重症化リスクの高い成人を対象とする使用の完全承認を圧倒的多数で推奨した。
諮問委は16人が承認推奨に賛成し、反対は1人だった。同薬は2021年後半から、軽度から中等症の12歳以上の患者を対象に緊急使用が認められている。FDAは正式な決定を5月に行う見通し。
完全承認されれば、ファイザーはパクスロビドをこれまでの政府からの受注を通してではなく、米国の民間市場において市場価格で販売できるようになる。
ファイザーはこれまで米政府に約2400万コース分を1コース当たり約530ドルで販売した。政府データによると3月12日時点で約1270万コース分が配布された。
完全承認で医師はより柔軟に同薬の処方ができるようになり、ファイザーも宣伝活動を強化できる。
パクスロビドを巡っては、バイデン米大統領やホワイトハウスのアンソニー・ファウチ元主席医療顧問など、5日間の治療コース後の最初の回復から再び陽性になる「リバウンド」の事例が複数報告されていた。FDAとファイザーはリバウンドへの懸念を緩和するデータを提出した。
諮問委の複数の委員は、リバウンドの問題について提出されたデータによって安心が得られたと述べた。