仮想通貨取引所大手のバイナンス(Binance)は、ハッキングにより4千万ドルを超える仮想通貨が不正に流出した「大規模なセキュリティ被害」に苦しんでいる。この報道を受け、仮想通貨は値下がりしている。
日本時間午後5時14分までに、ビットコインは0.43%安の5911.6ドルを付け、前日の上昇が帳消しになっている。
過去数日間で高値を付けていたビットコインだが、Binanceのハッキング被害報道に水を差される形となった。とは言え、急落と言うほどの値動きは見られていない。
その他の主要な仮想通貨も同様に安値を付けている。イーサリアムは4.02%安の170.28ドル、XRPは1.43%安の0.30089ドル、ライトコインは4.04%安の73.754ドルとなっている。
仮想通貨市場全体の時価総額は、昨日の1890億ドルから1839億ドルへと下落している。
7日、Binanceは一斉攻撃により4千万ドル相当の7千ビットコインが不正に引き出されたと発表した。
ユーザーの預金はハッキング被害を補償する「SAFU基金」により保障される。また、更なる被害の心配はなさそうだ。
BinanceのCEOであるジャオ・チャンポン(趙長鵬、Changpeng Zhao)氏によると、被害を受けたのはバイナンスのビットコイン保有量の2%が保管されているホットウォレット(オンラインでの資金を管理するウォレット)だけだという。他の全てのウォレットは安全だそうだ。
「ハッカーはユーザーのAPIキー、2FAコード等大量のデータを保有していたようだ。彼らはフィッシング、ウイルスを含む様々な手法を使った。我々は原因の特定を急いでいるが、まだ特定されていないアカウントが追加で被害を受けるかもしれない」
Binanceは、約1週間にわたりセキュリティ体制の見直しを行うと付け加えた。
また、特定のユーザーのアカウントから不正にコインが引き出される可能性があるとも述べた。