[ニューヨーク 6日 ロイター] - ニューヨーク外為市場ではドルが回復。前日急落していた中国人民元が上昇したことで、リスク選好度が改善し、安全資産とされる円やスイスフランの需要が後退した。
前日は、中国が約10年ぶりの人民元安を容認したことを受け、世界的なリスク回避の動きが広がったが、この日は中国当局が元安定化に向け動いている様子が見られたことで、比較的安定的な取引となった。
中国人民銀行(中銀)はこの日、対ドル基準値を1ドル=6.9683元と市場予想よりも元高水準に設定。またオフショア市場の香港で人民元建て債券300億元(42億5000万ドル)相当の発行計画も発表。これを受けリスク選好が改善した。
ウエスタン・ユニオン・ビジネス・ソリューションズのシニア市場アナリスト、ジョー・マニンボ氏は「元下落阻止に向けた中国政府のこの日の動きは市場安定化の一助となった」と指摘した。
中国国内市場の人民元は0.3%高の7.023元。オフショア人民元も0.6%上昇した。
米政府は5日、中国を為替操作国に認定。中国は「貿易問題に対処する手段として為替相場を利用したことはないし、これからも利用することはない」と表明しているが、米中の対立がエスカレートする兆候は鮮明となっており、投資家は警戒姿勢を維持する公算が大きい。
終盤の取引で、主要6通貨に対するドル指数 (DXY)は0.1%高の97.645と、前日付けていた2週間ぶりの低水準から持ち直した。
前日7カ月ぶり安値に沈んでいたドル/円も回復し、0.6%高の106.56円。
ドルは対ユーロでも前日の下げを取り戻した。ユーロ/ドル (EUR=)は0.1%安の1.1193ドル。
ドル/円 NY終値 106.47/106.50
始値 106.32
高値 106.63
安値 106.25
ユーロ/ドル NY終値 1.1198/1.1202
始値 1.1202
高値 1.1206
安値 1.1169