(ブルームバーグ): 自民党のルール形成戦略議員連盟(甘利明会長)は7日、中国のデジタル人民元が広く普及するシナリオを想定し、経済安全保障上の観点から、円のデジタル化を含めた日本としての対応策を海外当局と連携して早急に検討するよう強く求めた提言を取りまとめた。来週にも政府に申し入れる。
提言では、基軸通貨米ドルの通貨発行益が米国の経済力と軍事力を支え、米国による経済制裁を可能としてきたと指摘。その上で、デジタル人民元の登場により、米ドルを必要としない国際取引システムが構築されれば、米国の経済制裁力が低下することは否めず、安全保障上無視できないとの危機感を示した。
甘利会長は同日、デジタル人民元が一帯一路の決済通貨として普及し、通貨覇権争いに発展した場合に備え、「日本は米国と連携を取りながら、デジタル通貨について、中銀や国家、政府がどう対処すべきか、具体的な準備をしていく必要がある」と述べた。また、デジタル化が金融政策にマイナスの影響を与えないように「完全に把握してリスクをつぶしておく必要がある」と指摘した。
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