David Randall
[ニューヨーク 31日 ロイター] - ネッド・デイビス・リサーチは31日、米経済が景気後退(リセッション)入りを回避できれば、米10年債利回りは7%に達する可能性があるとの見方を示した。
米連邦準備理事会(FRB)はインフレに対応するため金利を長期にわたり高水準にとどめるとの観測を背景に、10年債利回りはこのところ、約16年ぶりの高水準となる5%近辺で推移している。
ネッド・デイビスのチーフ・グローバル・マクロ・ストラテジスト、ジョセフ・カリッシュ氏は、景気拡大が長期化し、景気を熱しも冷やしもしない「中立金利」が上昇すれば、国債に対する売りは継続するとの見方を示した。
その上で、商務省発表の9月の個人消費支出(PCE)価格指数の前年比での上昇率は3.4%と、1960年からの平均である3.3%を若干上回る水準にあり、「自然利子率(Rスター)」とも呼ばれる中立金利は2%を上回っているもようだと指摘。長期債のターム・プレミアムの1961年以降パンデミック前までの平均は1.65%だったが、これを加算すると7.20%になるとし、「10年債利回りが5%の水準にあることを居心地よく感じることは、実はかなり保守的なことになる」と述べた。
ネッド・デイビスは、FRBが11月1日まで2日間の日程で開いている連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを決定するとは予想していない。カリッシュ氏は「パウエルFRB議長は再利上げの可能性は排除されていないと確認する」との見方を示した。
ネッド・デイビスは、年内にあと1回の利上げが実施される確率は5分5分としている。