[ニューヨーク 11日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、ユーロが対ドルで20年ぶりの安値を付け、パリティ(等価)に近づいた。一方、米連邦準備理事会(FRB)が他の中銀よりも迅速かつ大幅に利上げを進めるとの見方を背景にドルが買われた。
ロシアとドイツを結ぶ主要パイプライン「ノルドストリーム1」での天然ガス供給が11日から定期保守点検のため完全に停止した。期間は10日間だが、ロシアのウクライナ侵攻で緊張状態が続く中、欧州の各国政府や市場、企業は延長される可能性を懸念している。
CIBCキャピタル・マーケッツの北米外為戦略部門責任者、ビパ
ン・ライ氏は「市場にとって喫緊の懸念はノルドストリーム1での供給が再開するかどうかだ」と指摘。再開されなければ市場が欧州のリセッション(景気後退)を織り込む可能性が高いとした。
ユーロ/ドルは一時1.0051ドルと2002年12月以来の安値を付けた。
一方、ドル指数は108.19と02年10月以来の高値を付けた。
ライ氏は「FRBは他の大半の先進国中銀よりも積極的に利上げを実施するだろう」と述べた。
FRBは7月の連邦公開市場委員会(FOMC)で75ベーシスポイント(bp)の利上げを実施すると予想されている。フェデラル・ファンド(FF)金利先物市場では、FF金利が現在の1.58%から来年3月までに3.50%に上昇するとの見方が織り込まれている。
ニューヨーク連銀が11日発表した6月の調査によると、米消費者の1年先インフレ期待(中央値)が6.8%と、前月の6.6%から上昇し、調査が始まった2013年以降で過去最高水準に達した。
市場では今週13日に発表される米消費者物価指数(CPI)が注目されている。ロイターのエコノミスト調査によると、6月CPIは前年同月比で8.8%上昇すると見込まれている。
豪ドルは一時0.6716米ドルと20年6月以来の安値。世界的な成長懸念が重しとなった。
中国の複数の都市で新型コロナウイルスの新規感染抑制に向けた新たな制限措置が導入される中、最も人口の多い上海市ではオミクロン変異株の新たな亜種「BA.5.2.1」が検出されたことを受け、先週に続いて集団検査が予定されている。
暗号資産(仮想通貨)のビットコインは1.62%安の2万0519ドル。
ドル/円 NY終値 137.42/137.45
始値 137.08
高値 137.75
安値 137.05
ユーロ/ドル NY終値 1.0039/1.0043
始値 1.0111
高値 1.0117
安値 1.0035