中国の自動車在庫が急増している。 中国自動車協会が5月11日に発表したデータによると、自動車卸業者の在庫比率は1.77カ月となり、前年同時期比28％増加したという。
また、4月の新車販売台数は199万4500台となり、前年同月比0.5％減少。
乗用車部門の増加率は3.7％にとどまり、直近2年の低水準を記録した。
専門家は、同協会が今年初めに予測した2015年の販売台数86万台（前年比7％増）について、達成できない可能性があるとの見方を示した。
中国経済の成長鈍化に伴い、自動車市場の伸び鈍化が鮮明になっているにもかかわらず、業界の生産ペースを拡大し続けていることが背景にある。
統計データによると、2013年、14年の自動車生産台数は、それぞれ前年比20.1％増、20.5％増となった。
これとは対照的に、13年、14年の販売増加率は15.7％、9.9％にとどまった。
業界アナリストは、これから2017年までに自動車の生産規模は現水準から41.6％拡大し、年間の生産台数は3060万台になると予測。
ただ、市場はこれだけの台数を消化できるかどうか現時点では不明だとの懸念を示した。
今後の中国の自動車市場について、伸び率の鈍化などに対応し、業界再編は避けられないとみられている。
また、トヨタ自 (TOKYO:7203)など外資系メーカーは合弁企業という形で中国に進出しているため、自動車業界の再編も外資企業に影響を与えると指摘されている。