■要約
ケアネットは、インターネットを使った製薬企業向けの医薬営業支援サービスを主力事業として展開している医師・医療従事者向けに様々な医療情報を無料で提供するWebサイト「CareNet.com」を運営しており、同サイトに登録した会員の属性やニーズなどを収集し、製薬企業に対して医薬品のマーケティング活動支援を行うビジネスモデルとなる登録医師会員数は2016年12月末時点で13.2万人と医師数全体の約4割をカバーしている
1. 2016年12月期は2ケタ増収増益を達成
2月13日付で発表された2016年12月期の連結業績は、売上高が前期比14.9%増の2,196百万円、営業利益が同26.7%増の194百万円となった製薬企業がスペシャリティ医薬品のプロモーション活動に軸足を移しつつあるなかで、こうしたニーズに合わせた営業活動に注力した結果、主力の医薬営業支援サービスが順調に拡大したことが要因だまた、2016年7月にオープンした臨床医学動画メディア「MEDuLiTe」を活用したサービスにおいても、スペシャリティ医薬品領域のコンテンツを制作、あるいは提携先である米WebMD Health Corp.(以下、WebMD)のコンテンツを編集して配信を開始し、顧客製薬企業から高い評価を得るなど順調な滑り出しを見せている
2. 2017年12月期は新規事業を育成しながら増収増益に
2017年12月期の業績は、売上高が前期比7.0%増の2,350百万円、営業利益が同21.1%増の235百万円となる見通し既存事業の拡大が続くほか、新規事業も立ち上がり収益に貢献し始める2016年12月期からスタートした臨 床 医 学 動 画 メディア「MEDuLiTe」を活用したサービスについては、コンテンツの制作・運営体制を一段と強化し次の収益の柱になることを見込んでいるまた、新規サービスとしてオンコロジー分野(がん領域)における臨床現場の活動実態に関する調査サービスを2017年より開始する「CareNet.com」の会員のうち、オンコロジー分野の専門医師を対象にインターネット経由で調査を行い、集計・分析した上で製薬企業に販売するオンコロジー分野は免疫チェックポイント阻害剤や分子標的治療薬の登場によって市場が様変わりして、臨床現場の実態を迅速かつ正確に把握することが、製薬企業の販売戦略において重要性が増しており、潜在需要は大きいと見られる
3. 2019年12月期に売上高3,500百万円を目指す
2016年3月に発表した中期経営ビジョンによると、2019年12月期に売上高3,500百万円を目標とする既存事業で年率5%成長を図り、新規事業で1,000百万円の売上高を創出していく新規事業としてはスペシャリティ医薬品向けの医学教育サービスや、臨床実態・活動実態の調査サービスのほか、今後のMRのアウトソーシング需要拡大を見越したリモートディテーリング(DTL)サービスやデジタルMR代行サービス等を育成していくリモートDTLサービス、デジタルMR代行サービスについては、CSO※企業と協業して2016年より試験的に取り組みを開始し、2017年も運営ノウハウを蓄積する段階ではあるが、今後製薬企業ではMR人材の縮小が予想されており、いずれ本格的に需要が立ち上がる見通し将来的にはこれら新規事業が同社の収益をけん引し、新たな成長ステージに入るものと弊社では予想している
※CSO(Contract Sales Organization:医薬品の営業・マーケティング支援)・・・製薬企業の営業・マーケティング活動を受託するビジネスを指し、MR(医薬情報担当者)人材の派遣が主となる
■Key Points
・インターネットを活用した製薬企業向け営業支援サービスが主力
・主力の医薬営業支援サービスの好調で2016年12月期は2ケタ増収増益に
・国内No.1の臨床医学教育メディアとして企業価値向上を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
ケアネットは、インターネットを使った製薬企業向けの医薬営業支援サービスを主力事業として展開している医師・医療従事者向けに様々な医療情報を無料で提供するWebサイト「CareNet.com」を運営しており、同サイトに登録した会員の属性やニーズなどを収集し、製薬企業に対して医薬品のマーケティング活動支援を行うビジネスモデルとなる登録医師会員数は2016年12月末時点で13.2万人と医師数全体の約4割をカバーしている
1. 2016年12月期は2ケタ増収増益を達成
2月13日付で発表された2016年12月期の連結業績は、売上高が前期比14.9%増の2,196百万円、営業利益が同26.7%増の194百万円となった製薬企業がスペシャリティ医薬品のプロモーション活動に軸足を移しつつあるなかで、こうしたニーズに合わせた営業活動に注力した結果、主力の医薬営業支援サービスが順調に拡大したことが要因だまた、2016年7月にオープンした臨床医学動画メディア「MEDuLiTe」を活用したサービスにおいても、スペシャリティ医薬品領域のコンテンツを制作、あるいは提携先である米WebMD Health Corp.(以下、WebMD)のコンテンツを編集して配信を開始し、顧客製薬企業から高い評価を得るなど順調な滑り出しを見せている
2. 2017年12月期は新規事業を育成しながら増収増益に
2017年12月期の業績は、売上高が前期比7.0%増の2,350百万円、営業利益が同21.1%増の235百万円となる見通し既存事業の拡大が続くほか、新規事業も立ち上がり収益に貢献し始める2016年12月期からスタートした臨 床 医 学 動 画 メディア「MEDuLiTe」を活用したサービスについては、コンテンツの制作・運営体制を一段と強化し次の収益の柱になることを見込んでいるまた、新規サービスとしてオンコロジー分野(がん領域)における臨床現場の活動実態に関する調査サービスを2017年より開始する「CareNet.com」の会員のうち、オンコロジー分野の専門医師を対象にインターネット経由で調査を行い、集計・分析した上で製薬企業に販売するオンコロジー分野は免疫チェックポイント阻害剤や分子標的治療薬の登場によって市場が様変わりして、臨床現場の実態を迅速かつ正確に把握することが、製薬企業の販売戦略において重要性が増しており、潜在需要は大きいと見られる
3. 2019年12月期に売上高3,500百万円を目指す
2016年3月に発表した中期経営ビジョンによると、2019年12月期に売上高3,500百万円を目標とする既存事業で年率5%成長を図り、新規事業で1,000百万円の売上高を創出していく新規事業としてはスペシャリティ医薬品向けの医学教育サービスや、臨床実態・活動実態の調査サービスのほか、今後のMRのアウトソーシング需要拡大を見越したリモートディテーリング(DTL)サービスやデジタルMR代行サービス等を育成していくリモートDTLサービス、デジタルMR代行サービスについては、CSO※企業と協業して2016年より試験的に取り組みを開始し、2017年も運営ノウハウを蓄積する段階ではあるが、今後製薬企業ではMR人材の縮小が予想されており、いずれ本格的に需要が立ち上がる見通し将来的にはこれら新規事業が同社の収益をけん引し、新たな成長ステージに入るものと弊社では予想している
※CSO(Contract Sales Organization:医薬品の営業・マーケティング支援)・・・製薬企業の営業・マーケティング活動を受託するビジネスを指し、MR(医薬情報担当者)人材の派遣が主となる
■Key Points
・インターネットを活用した製薬企業向け営業支援サービスが主力
・主力の医薬営業支援サービスの好調で2016年12月期は2ケタ増収増益に
・国内No.1の臨床医学教育メディアとして企業価値向上を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)