[ベルリン/フランクフルト 25日 ロイター] - ドイツのIFO経済研究所が発表した10月の業況指数は、9月と同じく94.6で、市場予想(94.5)をわずかながら上回った。IFOは、ドイツ経済は第4・四半期に若干の成長を取り戻すとの見方を示した。
IFOのクレメンス・フュースト所長は声明で「ドイツ経済は安定化しつつある」と表明した。
ドイツは第2・四半期がマイナス成長となった。エコノミストの間では、第3・四半期もマイナス成長で2四半期連続のマイナス成長となり景気後退(リセッション)入りするとの見方が多いが、IFOのエコノミスト、クラウス・ボールラーベ氏は「第4・四半期は若干のプラス成長を予想する」とロイターに語った。
輸出志向のドイツ経済は、トランプ米政権の「米国第一主義」の通商政策や英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)の迷走による世界経済減速で打撃を受けている。
ボールラーベ氏は、世界貿易状況の影響を受けやすいドイツ産業の下降トレンドは今のところ停止しているが、「ブレグジットを巡る不確実性が依然高い」と指摘した。
独スポーツ用品大手プーマ (DE:PUMG)は24日、第4・四半期は米国の対中制裁関税の影響が出ると見込みながらも売上高予想は上方修正した。
現況指数は97.8で、前月の98.6から低下したが、期待指数は90.9から91.5に上昇した。
INGのエコノミスト、カルステン・ブルゼスキ氏は、業況指数が横ばいだったことについて「残念ながらは安堵は回復とは違う」とし「停滞が長期にわたるリスクが依然高く、ドイツ経済が日本化するリスクもある」と述べた。
欧州中央銀行(ECB)のデギンドス副総裁は今月、ECBは日本の「失われた30年」のような状況に陥らないよう戦わなくてはならないと述べた。
ECBが量的緩和など、大規模な金融緩和を打ち出したことで、メルケル連立政権は外国政府やエコノミストから財政出動圧力を受けている。連立を組む社会民主党のショルツ財務相は前月、景気低迷を受け数十億ユーロ規模の財政出動の用意があると表明したが、メルケル独首相率いるキリスト教民主同盟(CDU)は財政均衡に固執、景気刺激策の要求に抵抗している。
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