[ウェリントン 13日 ロイター] - ニュージーランド(NZ)準備銀行(中央銀行)は13日、市場の利下げ予想に反して、政策金利のオフィシャル・キャッシュ・レート(OCR)を1.0%に据え置いた。これまでに実施した積極的な利下げを踏まえ、現行の政策が適切と判断した。ただ、追加利下げにも含みを残した。
中銀は声明で「国内の経済成長は年内、低迷が続くと予想している。引き続き景気動向を注視し、必要に応じて行動する用意がある」とした。
また、NZドルの今年の下落が、世界的な景気減速の影響相殺に寄与していると指摘した。
会合の記録によると、中銀当局者らは物価・雇用目標の達成には緩和的な金融政策が引き続き必要との見解で一致した。
ロイター調査では、アナリスト15人のうち12人が0.75%への引き下げを予想していた。
政策決定を受けて、利下げ観測が後退。NZドル
NZ国債2年物の利回り (NZ2YT=RR)も大幅上昇し、2年超ぶり高水準となった。
中銀のチーフ・エコノミスト、Yuong Ha氏は記者団に「金利は長期にわたり低水準にとどまると予想しており、これは世界的な現象だ」と述べ「引き続き指標を注視する。指標が今後の決定を左右する。必要なことを行う」と説明した。
必要なら「行動する用意がある」と中銀が表明したことで、追加緩和への道が開けた。中銀の見通しを踏まえると、来年利下げが行われる確率は50%。
これまでの金融緩和にも関わらず、企業業況感は引き続き低迷しており、エコノミストは少なくともあと1度の利下げで政策金利は0.75%になると予想している。
中銀は8月、政策金利を50ベーシスポイント(bp)引き下げ、予想以上の大幅な利下げを実施した。9月には金利を据え置いた。
中銀は13日の声明で、低金利は全般的な貸し出し金利を押し下げ、支出や投資を促していると指摘。生産能力への圧力拡大により、設備投資は上向くとの見通しを示した。
キャピタル・エコノミクスは、同中銀の国内経済見通しは楽観過ぎると指摘している。同社のアナリスト、ベン・ウディ氏は、リサーチノートで「NZ中銀は景気悪化によって来年初めまでに0.5%への利下げを余儀なくされるだろう」との見方を示した。
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