[ワシントン 2日 ロイター] - 米商務省が2日発表した10月の建設支出(季節調整済み)は、年率換算で前月比0.8%減と、市場予想の0.4%増に反して落ち込んだ。民間部門が3年ぶりの低水準に落ち込んだ。最近は好調な指標が続いていたものの、景気に関して慎重な見方が出る内容だ。
9月の建設支出は当初発表の0.5%増から0.3%減へ下方改定された。
10月の前年同月比は1.1%増だった。
10月の統計はこれまで、モノの貿易赤字や住宅市場、製造業関連が好調で、エコノミストは第4・四半期国内総生産(GDP)の予測値を引き上げた。
建設支出の前月比の内訳は、民間建設が1.0%減の9562億7200万ドルと、2016年10月以来、3年ぶりの低水準だった。9月は1.1%減少していた。10月は住宅建設が0.9%減となったことが重しだった。住宅建設は9月に1.1%減少していた。住宅ローン金利が低下しているにもかかわらず、住宅建設支出は2カ月連続でマイナスとなった。
米連邦準備理事会(FRB)は今年3回利下げしており、住宅金利は低下した。16カ月間続く米中貿易摩擦と世界経済の減速による経済への打撃を和らげている。
工場や発電所を含む住宅以外の民間建設は1.2%減少し、18年1月以来の低水準となった。9月は1.0%減少していた。貿易摩擦による製造業の低迷やエネルギー製品の値下がりで住宅以外の民間建設は軟調だ。住宅以外の民間建設は第3・四半期に4年近くぶりの大幅なペースで落ち込んだ。それが一因で設備投資は2四半期連続で縮小した。
公共部門は0.2%減だった。9月は1.9%増加していた。10月は州・地方政府が0.3%減。9月は2.0%増加していた。連邦政府は10月に0.6%増と13年5月以来の高水準をつけた。9月は0.7%増加していた。