[イスタンブール 27日 ロイター] - トルコの新たな国産電気自動車(EV)プロジェクトは今後13年間に220億リラ(37億ドル)を投資し、年間の生産能力17万5000台を目指す。27日付の官報に大統領の決定が掲載された。
同プロジェクトは今年10月30日に立ち上げられ、優遇税制措置など政府の支援を受ける。同国北西部の都市ブルサに生産拠点を設置し、4000人以上の従業員が5種のモデルを生産する。2035年までに政府が3万台を購入する。
トルコは輸出総額に占める自動車の割合が大きく、その大半が欧州諸国向けだが、自動車を生産しているのは現地企業と合弁を組む海外の大手メーカーだ。フォード (N:F)、フィアット・クライスラー (MI:FCHA)、ルノー (PA:RENA)、トヨタ (T:7203)、現代自動車 (KS:005380)などが進出している。
同国のエルドアン大統領は2017年11月に、100%国産の「国民車」を2021年までに開発する計画を発表。通信事業者テュルクセル (IS:TCELL)や家電大手ベステル (IS:VESTL)など5社で構成する企業連合「TOGG」が生産を担うと明らかにするとともに、プロトタイプを遅くても2019年までに完成させる方針を示していた。
同大統領は27日の式典で新型車を披露する予定という。
TOGGの最高経営責任者(CEO)は独ボッシュの元幹部。最高執行責任者(COO)はゼネラル・モーターズ(GM)韓国の元CEOが務めている。TOGGは2022年にコンパクトSUV(スポーツ用多目的車)の生産を開始する方針を示している。
独フォルクスワーゲン(VW) (DE:VOWG_p)は10月、トルコでの自動車工場建設の最終決定を延期したと発表した。シリアでの軍事作戦を巡りトルコへの国際的な批判が高まったことが背景。[nL3N2710TZ]
*内容を追加しました。