[サンラモン(米カリフォルニア州) 15日 ロイター] - 米サンフランシスコ地区連銀のデーリー総裁は15日、連邦準備理事会(FRB)の2%目標を下回り続けるインフレ率について、労働市場の逼迫と賃金上昇により来年には目標を達成するとの見方を示した。
総裁は当地で開催された会合で「私の予想ではインフレ率は目標に向かって徐々に回復し、2021年には持続可能な2%に達する」と述べた。
また、FRBによる昨年の3回の利下げにより、今年の経済成長率は昨年より弱いものの2%になると予想。失業率は現行の3.5%を維持し、賃金の伸びは3─3.5%になるとの見方を示した。こうした背景から、インフレ率は2%に押し上げられ、その水準に持続的にとどまるだろうと語った。
大半のFRB当局者は予見可能な将来にわたり政策金利を現行水準に据え置くと想定している。デーリー総裁も、労働市場の逼迫と堅調な経済成長によって、海外からの下押し圧力などインフレ率を抑制し続けてきた要因を打ち消すことが可能との認識を示した。
さらに昨年9月に発生した予想外の米短期金利急騰に伴う市場の混乱に関しても言及。問題は銀行が必要とする流動性をFRBが低く見積もっていたことだとし、その一因として、銀行自身が必要な流動性を見誤り、結果的にFRBの低過ぎる予測につながったとしたほか、大手銀行の「日中」の流動性基準を巡る規制も予想以上の現金保有を促す要因になった可能性があるとした。
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