[ワシントン 19日 ロイター] - 米労働省が19日発表した1月の卸売物価指数(PPI、最終需要向け財・サービス)は前月比0.5%上昇と、2018年10月以来の大幅な伸びとなった。ヘルスケアや宿泊などのサービスの値上がりが目立った。市場予想は0.1%上昇だった。
19年12月のPPIは0.2%上昇だった。
1月の前年同月比は2.1%上昇と、19年5月以来の大幅な伸びだった。市場予想は1.6%上昇だった。12月は1.3%上昇していた。
食品とエネルギー、貿易サービスを除いたコア指数は前月比0.4%上昇と、19年4月以来の大きな伸びだった。12月は0.2%上昇していた。1月の前年同月比は2カ月連続で1.5%上昇となった。
13日に発表された1月の消費者物価指数(CPI)は、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数が前月から加速し、米連邦準備理事会(FRB)が物価の目安としているコア個人消費支出(PCE)価格指数が目標に近づくとの見方が広がった。
FRBは物価目安を2%としている。1月のPCE価格指数の市場予想は前月比0.2%上昇。昨年の弱い物価圧力が計算から外れることにより前年同月比は1.7%上昇へ加速するとの見方だ。12月は1.6%上昇していた。19年を通して目標の2%を下回った。1月の統計は28日に発表される。
昨年3回利下げしたFRBは先月、金利を据え置いた。少なくとも年末までは金利を変えないとみられる。
PPIの内訳は、エネルギーが0.7%下落した。12月は1.5%上昇していた。1月はガソリンが1.5%下落し、全体水準を押し下げた。ガソリンは12月に4.2%上昇していた。
モノは0.1%上昇。12月は0.3%上昇していた。食品は1月に0.2%上昇。12月は0.3%下落していた。モノのコア指数は0.3%上昇。12月は0.2%上昇だった。
サービスは0.7%上昇と、18年10月以来の大幅な伸びだった。12月は横ばいだった。サービスの値上がりがPPIの値上がり要因の90%を占めた。サービスのうちヘルスケアは0.6%上昇した。ポートフォリオ管理費は2.3%上昇。12月は1.9%上昇していた。医療費とポートフォリオ管理費はコアPCE価格指数に組み入れられる。
宿泊のほか、機械・自動車サービスも値を上げた。
シティグループのエコノミスト、アンドリュー・ホレンホースト氏は「今回の統計は、基調コアPCEが2%前後で推移するというFRB当局者の自信を高め、低インフレ懸念による利下げ可能性を抑える」とし、大幅かつ継続的に2%目標を上回る可能性は低く、年内利上げの可能性はほぼ除外されていると述べた。