[26日 ロイター] - 全米小売業協会(NRF)は26日、2020年の国内小売売上高が前年比3.5─4.1%増加し、3兆9000億ドルを上回るとの見通しを示した。
新型コロナウイルスや貿易摩擦といった不透明要因があるものの、安定した賃金上昇や低金利、堅調な消費者信頼感などが消費を支える見込みとした。
NRFの見通しは実店舗とオンラインを含み、新型ウイルスが世界的な大流行(パンデミック)に発展しないという想定で算出されている。ただNRFは、中国の工場停止が続けば売上高に打撃が及ぶとの見方を示した。
暫定の統計によると、19年の小売売上高は前年比3.7%増の3兆7900億ドルとなり、NRFが見込んでいた少なくとも3.8%の伸びに届かなかった。
NRFのプレジデント兼最高経営責任者(CEO)、マシュー・シェイ氏は「コロナウイルスや政治的に熱のこもった選挙の年など、コントロールできない不確定要素は常にある」としながらも、「ファンダメンタルズ(基礎的条件)という点では、米経済は健全で、消費者は引き続き(景気を)けん引している」と述べた。
NRFのチーフエコノミスト、ジャック・クラインヘンツ氏は「経済はこれまでより控えめなペースで成長しているものの、消費者は安定した賃金上昇や堅調な労働市場に支えられて支出している」と指摘した。
NRFは今年の米経済全体の雇用者数の伸びが月平均15万─17万人となり、19年の同17万5000人から鈍化すると予想。失業率は現在の3.6%から、年内に3.5%に低下するとの見通しを示した。
20年の小売売上高見通しのうち、オンラインなど実店舗以外の売上高は12─15%増加すると予想した。
NRFの見通しには、自動車のほか、ガソリンスタンドやレストランでの売上高は含まれていない。